HKT48、アルバム未リリースのまま“コンサート重視”へ向かう理由とは?

 そして、HKT48のライブが他姉妹グループのファンから概ね好意的な評価を受けていることについて、同氏は「指原莉乃のプロデュース力」をキーワードに挙げた。

「指原は、自身がアイドルファンであるという立ち位置から、ファンに近い目線でセットリストを組んだり、パフォーマンスにおける創意工夫をすることで、HKT48のライブパフォーマンスを劇的に向上させてきました。また『TOKYO IDOL FESTIVAL』のような外部イベント出演でも、その場におけるHKT48の立ち位置や自身のポジションを理解して振る舞い、俯瞰した視野で巧みにグループの見せ方を制御してきました。その俯瞰した視野は、自身が監督を務めたドキュメンタリー映画『尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48』でも発揮され、驚異的なバランス感覚の作品に仕上げました。トップアイドルとしてのキャリアを重ねながら、プロデュースする者としての才覚も磨いている唯一無二の彼女の存在は、まだ若いHKT48の順調な歩みに不可欠です」

また、同時期に発足した乃木坂46が5月に2ndアルバムのリリースを発表したが、対するHKT48は、1stアルバムのリリースも未定という状況だ。シングルのリリースペースも他のAKB48グループと比べ極端に遅い印象だが、この状況について同氏はこう語る。

「乃木坂46は、シングルを10枚リリースするまで1stアルバムのアナウンスがありませんでした。それを踏まえると、乃木坂46に比べてシングル数の少ないHKT48のアルバムがもう少し先でも不思議はありませんが、夏のホールツアーが終わったタイミングに注目したいところですね。いずれにしても、それなりにシングルの数がたまった状態でのアルバムとなるため、どのような構成のアルバムになるかもさまざまに考えられるでしょう。また、先に述べたように指原莉乃という存在の大きさを考えると、HKT48の初アルバムの制作にあたって彼女がどのように携わるのかという点も気になります。彼女の歩みは、アイドルの長期的なキャリアを考える上でとても重要な先例になっていくはずです。アルバム制作でもプロデュース側に近い立場に立つのか、またどういった形でアルバムについて発表されるのか楽しみです」

 しばらくはライブに重きを置くであろうHKT48の活動。ファンも待望する1stアルバムは、果たしてどのタイミングでリリースされるのだろうか。

(文=編集部)

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