乃木坂46の14th選抜は“激動前の安定”? 深川麻衣初センター、堀未央奈選抜復帰の意図を読む
続けて香月氏は堀の選抜復帰から、今後の動きをこう推察する。
「堀さんが選抜復帰したことにより、『太陽ノック』以来2作ぶりに、選抜に2期生が1人入るという状況が生まれましたが、選抜の顔ぶれも安定しているため、これ以上の急激な変化を起こしづらいのは確かでしょう。ただ、前作では堀さん、北野日奈子さん、寺田蘭世さん、中元日芽香さん、中田花奈さんという、アンダーメンバーを集めたユニット・サンクエトワールが新しく結成されました。彼女たちはグループとして初めて楽曲ユニットだけでイベントを行なうなど、フレキシブルに活動していたことから、アンダーメンバーが活路を見出すための新たな形を見せるものになっていたと思います。堀さんが選抜入りしたことで、サンクエトワールは選抜とアンダーの混成になります。このことでユニットが自動的にストップしてしまうのではなく、選抜とアンダーの垣根を超えた活動が続き、選抜とアンダーの役割が単純に固定化するのではない姿が見られればよいなと期待します」
最後に同氏は今回の安定した選抜から、グループの今後をこう読んだ。
「2015年の乃木坂46は上り調子が続き、世間に顔を広く浸透させるチャンスだったからこそ、『勝負』として選抜メンバーをある程度固定化して進めてきたように思います。今年もまた、昨年末の紅白出場を新たな契機として、ある意味『勝負』と位置付けることができるため、昨年に引き続いてある程度メンバーが固定化されたということなのでしょう。ただ、長期的に見ればグループのためにはどこかでパワーバランスを変動させる必要があるはずです。そういう意味では、紅白以降の世間に向けたアピール、および深川さんの卒業のはなむけという意味合いのあった今回の布陣を経て、大きな変動を起こせるとしたら次作なのではと思います。またアンダーメンバーに関しても、ここ2年で『ライブが良い』という結果を出し続けてきた中で、今年はライブで目立つ以外のチャンスも多く生まれるのを見たいですね。アンダーの全国ツアーなどでグループをアピールするうえでも、アンダーがさらに目立った場に立つことは大事だと思います」
今回の“安定”は、次作で起こる波乱を前にした静寂なのだろうか。カップリングのメンバーやライブイベントなど、未発表の部分を含め、今後の動きを注視したい。
(文=中村拓海)