乃木坂46、13th選抜のコンセプトは“二人一組”? Wセンター含む大胆人事の意図を読み解く

 衛藤美彩と深川麻衣をフロントメンバーに抜擢した背景についてはどうか。

「今回はWセンターだけではなく、“二人一組”がポイントになっている布陣であることにも注目です。歌詞は“僕と君”の世界観をベースに、『シーソー』というフレーズがキーワードになっているほか、Wセンターがその象徴でもあり、2人の脇を固める衛藤と深川、2列目の両端を担う齋藤飛鳥と星野みなみという新曲の大胆な人事にそれが表れているといえるでしょう。衛藤と深川は、タレントとしての完成度は低くなかったけど、これまで前に出ていなかったメンバーで、年齢的に安定感のある2人。齋藤と星野は、ここ最近の活躍や露出を見ている限り、次世代を担う存在として運営側が強く押し出していることを感じます」

 最後に、センターから3列目に後退した生駒について、同氏はグループ全体を俯瞰したうえで以下のように語った。

「生駒はこれまで、6thシングル『ガールズルール』から11thシングル『命は美しい』まで、センターではない期間でも存在感を発揮し、グループの象徴として機能し続けました。AKB48との兼任が解けたところでセンターに再び戻り、今回は大人メンバーが前に出てくるにあたって後ろへと下がりましたが、乃木坂46のシンボルを背負い続けている彼女の存在が小さくなるわけでは決してなく、どこにいてもその姿が際立つことだけは確かです。見る人にとって、生駒の3列目への後退は、フロントメンバーのみならず隊列の後ろにも思わず目線を送ってしまうくらいグループが充実している証拠ともいえるでしょう。彼女が後列から乃木坂46を盛り立てることにより、グループ全体の毛色が変わるのかもしれません」

 グループとしても新たな試みが多くみられる今回の選抜メンバー。映画や歌番組などを通して、彼女たちの新たな姿がどのように広がっていくのか、引き続き見守りたい。

(文=中村拓海)

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