「宗像明将の現場批評〜Particular Sight Seeing」第18回『Period Of Plastic 2 Mercy』
POPこそがBiSの直系にして本流だーーカミヤサキ活動休止発表のUNITワンマンを観た
カミヤサキは不器用な人だ。しかし愚直なまでに誠実なパフォーマーだ。そのことだけは、ここに明記しておきたい。
「too misery」は、涙で歌もボロボロだったが、そんなPOPの姿もまぶしかった。「盗られそう」では、カミヤサキの激しいヘッドバンギングをしかと見届けた。
そして最後は、この日2回目の「pretty pretty good」。メンバー全員がフロアにダイヴし、ステージ上に誰もいない状態にまでなった。
うまくダイヴできずに一度はステージに戻ったシグサワアオが、それでも再びフロアにダイヴした。その彼女の姿は、これからのPOPを想像するにあたって心強いものだった。
思い出してほしい。POPは6月28日に初ステージを経験したばかりのグループなのだ。その彼女たちが、たった約1カ月でこれほど見事にファンに呼応できるグループに急成長した。モンスターグループと断言しても差し支えない。
POPは当面、イヌカイマアヤ、ヤママチミキ、シグサワアオ、ユメノユアの4人だけでライブ活動をすることになる。カミヤサキは無期限活動休止となったが、なんとか12月のシングルまでには復活してほしいと切に願う。POPがこの先どうなるかはわからないが、彼女たちを失うことはアイドルシーンにおける重大な文化的損失だ。
だからカミヤサキが復活するまでのPOPの現場は私たちが守るしかない。突然カミヤサキを失ったメンバーたちも同じことを考えているはずだ。あなたも現場に来れば、アイドルとEDMと熱狂とユーモアが交錯するPOPのステージを目にすることができるはずだ。
カミヤサキは、ワンマンライブでの特典会終了後の挨拶で、以下のような主旨の発言をした。
「脱退でも卒業でもないし活動休止なので、1日でも早く戻ってこられるように頑張るので、POPをよろしくお願いします。皆さんに出会えて本当に幸せです。これからもよろしくお願いします。」
ここから先のPOPのストーリーを見られるかどうかは、残されたメンバーとファンが生み出す現場の熱量にかかっているのではないだろうか。ここで終わるにはあまりにも惜しい。そう痛感したのがPOPのファーストワンマンライブだった。
■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter
■セットリスト
1.UNIT
2,who am I?
3.3rd FLOOR BOYFRIEND
4,Daydream
5.Lonely lonely lonely
6.fly away
7.NEON
8.Letter
9.pretty pretty good
10.Plastic 2 mercy
11.Plastic 2 mercy
12.Plastic 2 mercy
<アンコール>
13.too misery
14.盗られそう
15.pretty pretty good
■POP「pretty pretty good」PV
https://www.youtube.com/watch?v=K07xAFm7x-Y
■POP公式サイト
http://www.pop2m.com/