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ポップスの12thシングル『太陽ノック』レビュー

乃木坂46の最新シングルを深掘り分析 “主人公”生駒里奈と“ヒロイン”堀未央奈の現在地とは?

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ヒロイン堀未央奈と、新たなアンダーの物語

 昨年のアンダーライブの大成功により注目度を増したアンダーメンバーだが、それに伴い注目度が高まっているのがアンダー楽曲である。アンダー楽曲はタイアップやマーケット戦略に左右される表題曲に比べ自由度が高く、コアなファンからは今や表題曲よりも期待値が高いという声もある。そして今回の「別れ際、もっと好きになる」も、その期待にそぐわない仕上がりとなっている。乃木坂お得意の美しいピアノのイントロで始まったと思えば、雷が落ちたかのような四つ打ちの電子音、そして切ない歌声で曲は一気にピークを迎える。別れ際に急にヒステリックになってしまう女性の姿を、楽曲がうまく体現し、センターを務める堀未央奈がそれをより引き出しているように思う。生駒里奈を「主人公」と評することは多いが、ならば堀未央奈には「ヒロイン」という言葉が似合う。時にミステリアス、時に透明感が溢れ、また猟奇的で目の離せない彼女の、底知れない魅力が新たな立ち位置でさらに発揮されることを期待してやまない。

 そしてこの「別れ際、もっと好きになる」と「無表情」の作曲を手がけているのがAkira Sunset氏だ。古くは2ndアンダー曲「狼に口笛を」や3rdシングル収録「海竜の島よ」を手がけ、その後は表題曲「気づいたら片想い」やライブを盛り上げる定番ソングとなっている「そんなバカな…」「ダンケシェーン」を生み出してきた同氏は、今作の2曲を含め計9曲をグループに提供するなど、秋元康氏から重宝されている。前回のアンダー楽曲「君は僕と会わないほうがよかったのかな」も手がけた同氏の貢献度を考えると、杉山勝彦氏と並ぶ乃木坂46作曲陣のキーパーソンといって間違いないだろう。

 実は今回のアンダーは何かと新しいことが多い。まずアンダーセンターを務める堀未央奈はグループ初となる表題曲のセンター経験者である。前回センターを務めた中元日芽香は「支えるセンター」を自称していたが、おそらくオンリーワンの存在となる堀は私たちに新たなセンター像を見せてくれるであろう。また、フロントはアンダー楽曲としては8thシングルのカップリング「生まれたままで」以来の5名フロントになっており、センターの左右に中元と2期生・北野日奈子が立ち、大外にはこれまでパフォーマンスの高さでアンダーライブを支えてきた、中田花奈と川村真洋が選ばれている。さらに今回は今まで研究生だった5名の2期生が、正規メンバーとして初めて参加するアンダー曲であり、2期生が増えたことでアンダー内の1期生と2期生が9名ずつとちょうど半分になっている(山崎怜奈は今作休業のため不参加)。今までアンダーの中心としてフロントを多く務めてきた、斉藤優里と井上小百合が選抜に選ばれたこともあり、今回のアンダーは今までのものとは大きく異なる印象が強い。今作のアンダーライブの発表は未だされていないが、メンバーもフォーメーションも一新した新生アンダーメンバーが、大きな武器となるアンダー楽曲を手に躍動する姿を見るのが今から楽しみでならない。

 今年の乃木坂46の夏はとにかく充実している。メンバー主演のドラマ『初森べマーズ』(テレビ東京系)がスタートし、初の映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』も公開された。このシングルがリリースされれば、グループ最大規模の夏の全国ツアーがスタートし、ツアー中には鳥居坂46が誕生する予定だ。個人仕事もドンドン増え、今後の展開が楽しみなメンバーも多い。そのタイミングで“主人公”生駒里奈と“ヒロイン”堀未央奈がそれぞれ選抜とアンダーのセンターに立つのもまた面白い。作曲家陣もおなじみの杉山勝彦氏やAkira Sunset氏がいるなかで、久々の登場となった黒須克彦氏や、初参加の方が複数人いるなど分厚いラインナップだ。質・量ともに充実の新作を手に取れば、きっと「乃木坂46の夏」の訪れを感じることができるだろう。

■ポップス
平成生まれ、音楽業界勤務。Nogizaka Journalにて『乃木坂をよむ!』を寄稿。

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