『高橋優 BEST 2009-2015『笑う約束』』インタビュー
高橋優が5年間の活動を振り返る「ずっと“笑う約束”をいろんな人たちと交わそうとしてきた」
「“夢はかなう”と心から信じている人の夢は、きっとかなえられると思う」
--まずは新曲というか、ニューシングルですね。6月に出た「明日はきっといい日になる」。これは高橋優史上、最も明るいメッセージソングじゃないか?と。
高橋:「明日はきっといい日になる」というのは、僕の中でずっと大事にしてきた言葉なんですよね。この曲を書き始めた時にまず僕の中に入って来た情報は、外国で起きたテロのニュースで、総理大臣が「テロには屈しません」と言っている。あれを見た時に、明日から戦争が始まるんじゃないか?というような不安感を、いろんな人たちが煽っているのが目に見えてわかったんですよ。「明日は絶望に満ちてますよ」みたいな、そういう雰囲気に対して反発したい気持ちもあったし。あとは、言霊(ことだま)ですよね。僕はあんまり神様とか宗教とか、そういったものを強く信じるほうではないんですけど、「明日はきっといい日になる」って、一緒に言ってみない?と。それを言い続ければ、「明日はきっと駄目になる」と言ってる人よりは、いいことが訪れやすくなる気がするんですよね。
--ですね。そう思います。
高橋:「絶対大丈夫」と思っている人のところに、大丈夫なことが訪れると思うし、「夢はかなう」と心から信じている人の夢は、きっとかなえられると思うんですね。だから「明日はきっといい日になる」という言葉をいろんな人が口ずさんでくれたらいいという願いを込めて、この曲を書きました。
--それを5年たった今歌えるのが、いいと思います。今だから歌える曲。
高橋:そうです。
--これをライブの最後に歌えば、それまでにどんなに暗い曲を歌ったとしても、全部吹っ飛ばすパワーがあるなと思います。
高橋:今、実際にライブの最後で歌ってたりもしますね。
--あ、本当に? やっぱり。
高橋:さっきまで札幌にいたんですけど、昨日とおととい、ファンクラブイベントをやらせてもらって、アコースティック・ギターの弾き語りで2時間くらい歌ったんですけど、本編の終わりで「明日はきっといい日になる」を歌わせてもらって。おっしゃる通りで、どんな曲を歌っても、その日がどんなふうに終わっても、♪明日はきっといい日になるって口ずさみながら終わるのは、ありなんじゃないかな?と思います。
--そして「今を駆け抜けて」。これは?
高橋:これも「今を駆け抜けて」という言葉を口ずさんでもらえたらいいなと思って書きました(笑)。
--おんなじですね(笑)。
高橋:歌詞の内容として、言わんとしていることはあるんですけど。「今を駆け抜けて/今を愛して」という言葉がサビで何回も繰り返される、そこを口ずさんでもらいたいんですよ。北海道の『アルキタ』というアルバイト情報誌のテーマソングを依頼されて、書かせていただいた曲なんですけど、「その一瞬が、一生を変える」というコンセプトがあって、そのテーマは僕がずっと言わんとしてきたことと類似していたので、曲はスルッとできたんですけど。明日ばかり意識したり、昨日のことを後悔したり、そういうことは多いですけど、今が一番何かをやるべき瞬間だという、ただそれだけのことを歌にしました。あとは、ライブでみんなで歌いたいということですね。