5年ぶりに復活! ジェッジジョンソン藤戸が語る、これからの音楽「当たり前が変わった中でどうするか」

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「バンドのエネルギーとバンドの楽しさを実感している」

ーー今の布陣はどうですか?

藤戸:凄い良いと思います。長い旅路の果てに見付けたメンバーなので、何年も音楽をやってきて、今、初めてバンドを体験している気がしますし、サポートも含めて、メンバーでそれぞれ意見を言い合って、バンドのエネルギーとバンドの楽しさを実感しています。今いるメンバーも恐らく同じ意見なので、それが楽曲にも表れていると思います。「KRUNK」とか蓮尾くんがやりたい放題やっていますけど、プレイヤーとして天才だし、いい曲を昔から書くし、その彼を如何にコントロールするかっていう、役割分担が出来ているのかな。

ーーその「KRUNK」の歌詞は、藤戸さんの心境が想像出来るような、混沌としたものになっていますね。

藤戸:僕に重ねることもできるし、結構広めに受け取れるようにしていますね。はじめから考えていたのは、英詞でやってしまおうと。英詞だと歌詞より先にメロディが入ってきて、ユーザーに届くかなって。それで興味を持って和訳を見た時に、こういうことを歌っているんだなって気付くっていう。ソーシャルの時代ならではの、見て調べてググって戻ってきてもらうっていう、そういうことをしてもらいたかったんです。

ーー歌詞という以上に、仕掛けがあると。

藤戸:謎解きではないんですけど、興味を持った人間がさらに楽しめるような仕掛けはたくさんちりばめてあります。薄く聴かれるのではなく、気に入った人間が如何に満足できるか、そこに今回は特化しました。もちろん大前提は僕がやりたいことをやるっていうことなんですけど、自分がこうだからわかってねっていうことではなく、僕もあなたと一緒で、こういうことがありましたっていう発信ですね。重要なのは、どの曲も当たり前のことを歌っているんですよ。J-POPにありがちな言葉も意図して使いましたし。当たり前のことは当たり前じゃなく、絶対なんてこの世にはない、当たり前が変わった中で次にどうするのか、それを曲の中に入れてみました。この曲たちがユーザーにとって励みになってくれたら、生活の中で大事な曲になってくれたらいいなって思います。

ーー西川響(Bassline)さんは、藤戸さんにどんなものをもたらしてくれましたか? SCANDALなど、正直対極にいるポップなアーティストに関わっている方ではありますが。

藤戸:響先生がジェッジでやりたかったことは、わかりにくいことをどれだけわかりやすく見せるかっていう。ジェッジジョンソンは細か過ぎて伝わらない選手権なので(笑)。トッド・ラングレンやXTCを今やったらどうなるのかっていうところみたいです、彼の言葉を借りると。例えば「ソナチネ」は、歌詞もメロディもちょっと昭和っぽいんですけど、のっけてるのは強烈なオルタナな音なんです。こっぱずかしいくらいのわかりやすさを、カッコいいサウンドに乗せるっていう提案したいと、彼は考えていたようですね。

ーー他のメンバーにとっても、ジェッジは挑戦できる場所なんですね。

藤戸:メンバー内では牧場と言われていますからね(笑)。それぞれいろいろやっているんで、ジェッジはバンドというよりプロデューサー集団で、目標は、みんなが外の世界で経験したことをジェッジでどうプレゼンして形にするかっていう。実は今作は、レコーディングで一回も全員スタジオなどに集まっていないんです。LINEと共有のページを立ち上げて、データをやり取りして作っちゃったっていう。僕のスタジオも遠隔操作で、ドトールとかにいながら自分のPCをいじれちゃうんで、そうやって仮のデモ音源とかを投げていますし。一切顔を合わせずに作った、面白いアルバムなんです。次もそれを突き詰めてみようかなと思っています。

ーー既に展望もあるんですか?

藤戸:年末には新しいのが聴けるかな。

ーー早いですね!

藤戸:今作っているのは、インディーズの時のベストですね。今の音と、今のメンバーで作り直してみようっていう。あとは完全な新曲ですね。

ーー楽しみにしています。では最後に、リリース後だからこそ言っておきたいことなどありましたら、お願いします。

藤戸:まず、iTunesでオルタナ一位をとれたのは、みなさまのおかげです! これで名前も広がり始めていますし、目標だったので。一気に世界が変わるわけではないと思いますけど、着実に進んで行ければと思います。7月17日のワンマンもいらしてください! 20時からなので、仕事の後からでも間に合いますよ(笑)。平日の20時からのライヴが広まっていけば、もっと音楽も広まるんじゃないかなあって思います。来てくれるまでの障害は、全て取り除きたいですね。 

(取材・文=高橋美穂)

■リリース情報
『テクニカルブレイクス・ダウナー』
発売:2015年5月20日
品番:BZCS-1124(UNITED TRAX/BELLWOOD RECORDS)
価格:¥2,800(税抜)
収録曲:
1.the Ruler and Savant/2.KRUNK/3.アルター・エゴ/4.雨上がりの空の下で/5.In Laboratory/6.瓦礫の森/7.My Arsenals/8.Loaded Ingram/9.ドミニオン/10.the Ruler has never seen another world/11.ソナチネ/12.SketchBook/13.忘れる魔法/14.ふたりをつなぐもの/15.Armillary sphere/16.青の連続/17.AFTER ALL/My Little Steps(Ground Final of BREAKS)

■ライブ情報
TOUR2015[TECKNICAL BREAKS DOWNER]
6月12日(金) 大阪・阿倍野ロックタウン
6月14日(日) 東京・下北沢CLUB251
6月23日(火) 北海道・札幌SPIRITUAL LOUNGE
6月24日(水) 北海道・札幌Sound Lab mole
7月17日(金) 東京・渋谷WWW(ワンマンライブ)

■ジェッジジョンソン オフィシャルサイト http://jetze.net/
■ジェッジジョンソン 公式Twitter https://twitter.com/JETZEJOHNSON

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