嵐『ARASHI BLAST in Hawaii』の振り付けに見る、トップアイドルとしての姿勢
嵐のハワイツアーの模様を収めたライブDVD&Blu-ray Disc(以下BD)『ARASHI BLAST in Hawaii』が4月15日に発売され、4月27日付のオリコン週間DVD&BDランキングでともに総合1位を獲得。DVDは初週28.2万枚、BDの方は25.8万枚とどちらも20万枚超え。BDの売上枚数は、自身が「音楽BD売上枚数」歴代1位記録を保持していた『ARASHI Live Tour 2013“LOVE”』(昨年7月発売)の累積売上15.6万枚を、発売1週目にして10万枚以上も更新し、音楽業界に新たな記録を打ち立てた。
内容としてはDVD、BDともにDisc2枚組で、Disc1にはライブ本編が、Disc2には2日目の雨のコンサートのハイライトやドキュメンタリーが収められている。シンプルな構成で記念すべきハワイライブの空気感をそのままに収めた本作品は、ファンにも好評のようで、Amazonレビューでも好意的な意見が目立っている。
ヘリでの登場シーンや、ハワイの美しい夕暮れの中で披露された「Love so sweet」、ハワイアンver.となった「マイガール」や「Everything」に、定番のムービングステージやトロッコで客席をまわるシーンなど、見どころが満載の本作だが、本稿ではまず、その振り付けについて見ていきたい。
ハワイ公演の全体構成と振り付けを手がけたのは、振り付け集団の「左」。左は、元WORLD ORDERの野口量が率いる振り付け集団で、「GUTS!」「誰も知らない」「Sakura」の振り付けも手がけている。その振り付けの特徴は、徹底的に整理された動きと、数々の革新的なアイデアにあるといえるだろう。野口が無名(ウーミン)というダンスグループのメンバーとして、ユニクロのCM「UNIQLO MIXPLAY」に出演した際の映像が以下だ。
ゼンマイ仕掛けの人形のような動きは、ポッピングといわれるジャンルのダンスを発展させたものだが、彼らのダンスが革新的だったのは、全員でスローモーションの動きをしたこと。スローモーション自体はすでにあったテクニックだが、こうして4人で揃えることにより、ときにスピード感さえ感じさせたのは、とても新鮮な表現だった。そしてそのような表現は、WORLD ORDERでも存分に発揮されている。