3rdアルバム『Blue Avenue』インタビュー

花澤香菜×北川勝利が明かす、“極上のポップソング”の作り方「人生と音楽がより密接になってきた」

 

「私と一緒にこういう音楽に出会ってもらえたら嬉しい」(花澤)

ーー海外の大物ということで言えば、今回はスウィング・アウト・シスターの二人が曲を提供しています。花澤さん、曲を聴いた時の印象はどうでした?

花澤:贅沢なことにコリーンさんの声で仮歌が入っていて、「マジか!」と思って(笑)。

北川:その段階でスウィング・アウト・シスターだったよね(笑)。最初は「書いてくれたらいいよね」ってくらいの話だったんです。そこから、去年の秋ぐらいに来日した時にライヴを観に行って、終わった後にご挨拶させてもらって。香菜ちゃん本人からも「是非お願いします」とか言ったらもうご機嫌で。「オーケー! 頑張ります」みたいな感じでした(笑)。

ーーそして、そこに日本語の歌詞を書いて歌った。

花澤:セリフのところも英語で格好よく入ってたんで「これも日本語だよね?」みたいなところから始まって。これをどう歌ったらいいのかも悩みました。でも、岩里祐穂さんが書いてくださった歌詞を、自分で仮歌を歌っていただいて。それがすごく手がかりになりました。

北川:元が英語の曲なので、日本語だとどうしてもノリが難しくて。岩里さんにはスタジオにも来てくださって。その時僕が面白いなと思ったのが、歌い方に関して香菜ちゃんに「ぶら下がる感じで」って言って。僕は聞いてて「意味分かんねぇ」って思ってたら、香菜ちゃんが「わかりました!」って言って。そうしたら後ノリのグルーヴで歌ってて、「ぶら下がるって言ったらこういう歌い方が出るんだ」って、ひとつ勉強になりました(笑)。

花澤:コリーンさんが、手を動かして独特のリズムの取り方をしてるんです。あの感じかと思って。私自身もそういう歌い方を発見できたので、それもよかったなって思います。

ーーアルバムは非常に完成度の高いポップスに仕上がったと思いますが、お二人としては、この作品をどういう風に届けていきたいと考えていますか?

北川:前作の『25』の時もそうだったんですけど、僕らの好きな音楽のいいところを取り入れて作っていったアルバムを作って。そうしたら「こういう音楽ってなんてジャンルなんですか?」とか「どういうものを聴いたらこういう音楽にもっと触れられますか?」とか、そういう類の質問が沢山来たんです。それはすごく嬉しいんですよね。もちろんこのプロジェクトの音楽を聴いてほしいですけれど、音楽の楽しみとして「こういう音楽もあるんだ」っていう入り口になってほしいと思うんです。それこそ、香菜ちゃん自身がビリー・ジョエルにハマったみたいに。

――このアルバムが音楽の入り口になる。

花澤:私はこの活動を通して、上の世代の人達から「香菜ちゃん、いい曲やってるね。好きだよこういうの」っていう声を沢山頂いて。いろんな世代の方にも心地いいって思ってもらえるって、すごい嬉しいですよね。私自身初めて体験する音楽ではあるんですけど、こういう音楽を知らなかった私と同世代の人達も、私と一緒にそういう音楽に出会ってもらえたら嬉しいなって思いますし。

北川:『25』より今回の方がもうちょっと渋かったり、深かったりもするんですけれど、堀り下げていくにはすごく楽しいんじゃないかと思います。まあ、集中して聴くとかじゃなくて、お洒落に心地よく響いて、なんとなくBGMとしてかけて気持ちよかったら、それはそれでいいんですよね。生活の中でなんとなく流れていてもハッピーな気持ちになってもらえるんじゃないかなって思ってます。そして、ライヴまで来てくれたら演奏も見せられるし、もっと美味しいところが味わえるという。

花澤:そうですね。今回のライブは初めてホーンと一緒にやるんで。ジャジーなライヴ空間になるんじゃないかなと思うので、是非生音を体験しにライヴに来てくれたらとても嬉しいです。

(取材・文=柴 那典)

■リリース情報
『Blue Avenue』
発売:4月22日(水)
価格:初回生産限定盤 ¥4,104(税込)
   通常盤 ¥3,240(税込)

<収録内容>
1. I ♡ New Day !
2. ほほ笑みモード
3. Nobody Knows
4. ブルーベリーナイト
5. Trace
6. こきゅうとす
7. Night And Day
8. タップダンスの音が聴こえてきたら
9. We Are So in Love
10. プール
11. Dream A Dream
12. マジカル・ファンタジー・ツアー
13. 君がいなくちゃだめなんだ
14. Blue Avenueを探して

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