Awesome City Clubが明かす、バンドの成り立ちと活動ビジョン「ドカンと売れたら一番おもしろい」

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 Awesome City Clubが、ファーストアルバム『Awesome City Tracks』を4月8日にリリースする。ビクターの新設レーベル「CONNECTONE(コネクトーン)」からのメジャーデビュー作である本作は、ブラックミュージックからロック全般にいたる広範な音楽的素養をベースに、80’s 的なシンセ音を巧みに散りばめた、高度に洗練されたポップサウンドが堪能できる一枚だ。主宰者であるマツザカタクミが「争奪戦になる状況を作りたかった」と語るほど、インディーズ時代からサウンド・ビジュアル共に明快なビジョンを持って活動してきた彼ら。今回の初インタビューでは、バンドの成り立ちから、デビューに至るまでのプロセスを語ってもらいつつ、Awesome City Clubが今後どんな活動を展開していくかを探った。聞き手は音楽ジャーナリストの宇野維正氏。(編集部)

「いろんな能力を持ち寄って集まったのが、このAwesome City Clubというバンド」(マツザカタクミ)

——去年の後半くらいからいろんなところで噂は耳にしていたんですけど、ファーストアルバムのリリースが近づいて、こうしてようやくインタビューにも応えていただけるようになって。とにかく、それまではまったく実態がつかめないバンドで。

マツザカタクミ(以下、マツザカ):すみません(笑)。

——正直、音だけを聴いた時点では、あまりにも音楽的な引き出しをたくさん持っているから、30代以上のバンドなのかなって思っていたんですよ。でも、見た感じ、みんな若い(笑)。

atagi:いやいや、そこそこいってますよ。30代ではないですが(笑)。

——なので、まずはバンドの成り立ちから話を訊いていきたいんですけど。バンドのリーダーはマツザカさんなんですよね?

マツザカ:はい、「主宰」ということになってます(笑)。もともとatagiとは職場で一緒だったんですよ。

——それは、どういう職場?

マツザカ:渋谷の音楽スタジオです。働いてるのはバンドマンばかりだったんですけど。当時、自分もatagiもお互い全然違うジャンルのバンドをやっていて。まぁ、どっちもくすぶっていたんですね。もう少し自分の本当にやりたい音楽をバンドでやりたいなって思っていて。

——それぞれどういうバンドにいたんですか?

マツザカ:自分がやっていたのはヒップホップ系というか、ビースティー・ボーイズみたいな感じをイメージしていて。楽器を持ちながらラップもやるみたいな。でも、それが最後の頃にはPerfumeみたいな感じになっていって。

——全然イメージできないけど(笑)、はい。atagiさんは?

atagi:自分がやっていたのは3ピースのオルタナ系のバンド。いわゆる、日本語ロックのバンドですね。

マツザカ:当時から彼の書く曲はいいなって思っていたんですよ。で、ちょうどその頃、フォスター・ザ・ピープルの『トーチズ』にはまっていて。あの作品の持つ80’s感と、バンドなんだけどダンスミュージックやブラックミュージックの要素もありながら基本歌ものっていう、あの感じにすごくグッときてて。ああいう音楽をやりたくなって彼と話をしたんです。「洋楽的な譜割りなんだけど日本語で歌う」とか「メッセージ性はできるだけない方がいい」とか、いくつかルールを設定して、一緒にバンドをやってみない?って誘って。その時点で5人組で、そのうち2人は女の子っていうのは決めていたんですよ。

——へぇ! その時点ではまだマツザカさんとatagiさん以外はまったく目星がついてなかったんですよね?

マツザカ:そう。だからあと男1人と女2人に声をかけよう。しかも、女の子は可愛い子じゃなければダメだって。

——いや、今日何にビックリしたって、PORINさんの可愛さで(笑)。本当にメチャクチャ可愛い。

PORIN:あはははは。

マツザカ:彼女は最後の1ピースだったんですよ。その前に、「ドラムやってる可愛い子いるよ」って噂を聞きつけてユキエに声をかけて。あと、最初ボーカルは黒人の女の子がいいなって思ってたんですね。

——一時期のスタイル・カウンシルにおけるD.C.リーみたいな感じ?

マツザカ:そうそう。で、知り合いが「あぁ、俺、黒人の女の子のボーカルでいい子知ってるよ」って言うから、それを信じて紹介してもらえるのを待ってたら、結局いなくて(笑)。気がついたらそいつだけバンドに入っていたという。それがギターのモリシーってやつなんですけど。

——ははははは。

マツザカ:まぁ、モリシーはレコードエンジニア的なこともできたんで、そういう意味ではすごく助かっているんですけど(笑)。

——そっか。デビュー前にネットにアップされていた音源があれだけクオリティが高かったのは、そういう理由だったんですね。

マツザカ:そうです。事務所に入ってレコード会社と契約するまでは、完全に全部自分たちだけでやっていて。それぞれがそういういろんな能力を持ち寄って集まったのが、このAwesome City Clubというバンドで。

——PORINさんは?

PORIN:私もその音楽スタジオのバイトに後から入って、その時にナンパされました(笑)。

——その前にバンドでのボーカル経験はあったんですか?

PORIN:あ、やってました。なんか変なバンドで(笑)。

atagi:全然変じゃなかったよ!

マツザカ:俺たちの方が変なバンドだったって(笑)。

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