『Awesome Talk -vol.1-』開催記念ミーティング
Awesome City Club×髭×吉田ヨウヘイgroupが語る、気持ちのよい音楽の作り方「3組とも少しハズしているところがある」
「広く聴かれたいという気概でやっていることが前提にある」(吉田)
――この3組は、一つのところに定住しない感じというか、どのジャンルにも接触できる、どんなバンドと共演しても不自然じゃないという印象もありますね。
マツザカ:そうですね。どのバンドも「見る角度をもう少し変えてみたらこう映るよ」ということをそれぞれが違うスタンスで提示しているというか、少しハズしているところがあるのかも。自分たちのことをロックバンドだと思っていますか?
須藤:その質問、面白いね。
マツザカ:この二組と共演するって言ったときに、「ポップバンド」でも良いかなって思ったんですけど、どうなんだろうと思って。
吉田:違うものだと思ってますね。僕はロックバンドって意識はないんですよ。誰かに覚悟を問われたり、「お前は何をやりたいんだ」と訊かれたときには「ロックバンドです」と答えますが、音楽に興味を持ってもらって訊かれたときは「ポップスやっています」って言っちゃいますね。たぶん、広く聴かれたいという気概でやっていることが前提にあって、アティチュードとしてどっかにロックバンドという自負はあるのかなと思います。
須藤:俺らはどうなんだろ、ロックバンドじゃないかもしれないね。もちろん、お父さんとお母さんには「ロックバンド」と説明するけど、なんか違う気はするよね。
マツザカ:僕はバンドだとは思ってないです。むしろバンド活動から各々離れたくてこのバンドを作りましたし、「ザ・〜とか、〜ズ」という固有名詞を辞めたくて「Club」の冠を付けた。いろんな人の集合隊であり、たまたまこういうプロジェクトをやっているという感じを出したかったんです。
吉田:「髭」って名前格好いいですよね。どういう由来なんですか?
須藤:髭って初期は俺の母体じゃないんだよね。入った時のバンド名は横文字で、良いなと思いつつ「もっと違う方が良いと思うよ」って後から入ってきて言ったんです。で、代案として「髭」を提案したらそれが通った。
吉田:漢字がよかったんですか?
須藤:いや、「髭」って漢字で書いた時のフォルムがいいのよ。良い時期のプリンスみたいに、ロゴとしても使えたので。
――吉田さんはバンド名をどういった理由で付けましたか?
吉田:バンドに名前を付けなきゃいけないとなった時に、ジャズが好きだったこともあり、とりあえず良いかと思ってこの名前にしました。ただ、ラジオで流してもらったり、ライブの本数が増えてきたりして「変えない方が良いよ」という意見が増えてきたんです。
――確かに、一度聞いたら忘れられないですね。
マツザカ:すごいコンポーザーの方なのかなって思いました。隅々まで自分で管理したいから、自分の名前つけているのかなって。
吉田:半年くらいでたくさん名前を提案したんですけど、どれも「良くない」って言われて(笑)。