A.B.C-Z、バラエティ進出に必要なものは? Kis-My-Ft2との比較から見えるグループの強み

 A.B.C-ZのライブBlu-ray / DVD『Summer Concert 2014 A.B.C-Z★"Legend"』が3月11日にリリースされる。同作は、昨年夏に東名阪で行われたA.B.C-Zの単独ツアーより、最終日9月15日の東京・国立代々木競技場第一体育館公演の模様を映像化したもので、メンバーの河合郁人が総合演出を務めているのもポイントだ。

 A.B.C-Zはその身体能力の高さで知られるグループで、抜群のダンススキルを誇る五関晃一や、オリンピック選手を目指していたという逸話を持つ塚田僚一らが在籍しており、パフォーマンスのクオリティはジャニーズ内でも突出していると言われている。リリース作品のほとんどがCDではなくDVDなのは、彼らの魅力を充分に伝えるには、ダンスやアクロバットなどの視覚的な要素を観せる必要があるからにほかならない。

 しかし、パフォーマンスにおいて突出したスキルを持つにも関わらず、A.B.C-Zの地上派テレビ出演は控えめだ。冠番組の『ABChanZoo』(テレビ東京)やレギュラー出演中の『ザ少年倶楽部』といった番組でその姿を観ることができるものの、ジャニーズファン以外にも届くような番組では、同期グループといえるKis-My-Ft2に比べ、露出が少ないようだ。

 ジャニーズの動向に詳しい芸能ライターの佐藤結衣氏に、その理由を聞いた。

「A.B.C-Zはもともと『J'J A.B.C-Z オーストラリア縦断 資金0円ワーホリの旅』(日本テレビ〜2013年6月終了)で、ワーキング・ホリデーでお金を稼ぎながらオーストラリアを縦断するなど、体を張った企画を得意としていました。『ジャニーズなのにここまでするの!?』という意外性が面白く、バラエティ番組でも年齢について弄られるなど、いわば“オイシイ”ポジションにいたと思います。しかし、同期グループのKis-My-Ft2から、後列メンバー4人で結成した派生ユニット・舞祭組が2013年に出てきたことにより、そのポジションは危うくなった印象です。舞祭組は三枚目キャラを全面に押し出していて、バラエティ番組でも弄られキャラとして活躍の幅を広げています。2014年6月には舞祭組に対抗するかのように、A.B.C-Zはグループ初の主演ドラマ『魔法★男子チェリーズ』で、童貞の魔法使い役に挑戦しました。つまり“下ネタ”という奇策に走ったのです。しかし、ドラマの話題性は充分だったものの、その後のバラエティ進出はそこまで振るわなかった印象。最近は『2015新春JOHNNYS'WORLD』などの舞台に出演するなど、メディアより現場での活躍が目立っています。もちろん、舞台は彼らの特技を存分に発揮できる場なので、その活動方針は正しいでしょう。しかし一般層にまで彼らの魅力が充分に伝わらない今の状況を、少し歯がゆく感じるファンも少なくないと思います」

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