柴那典が12/23ZEPP TOKYO公演を深堀り

「最高に格好いい変わり者たち」がシーンの一大潮流を作った――unBORDE Xmas PARTY 2014レポ

 

 12月23日(火)、Zepp Tokyoにて「unBORDE Xmas PARTY 2014」が開催された。

 ワーナー・ミュージック・ジャパン内に設立されたレーベル「unBORDE」の所属アーティストたちが一堂に会するこのイベントは、今年で3回目を迎える。1回目はZepp Divercity TOKYO、2回目はEX THEATER ROPPONGIと続き、今年はZEPP TOKYOに会場もスケールアップ。集ったのはジャンルもスタイルもバラバラな、しかし個性派が揃う計10組のメンツだ。

 13時開演、終演は21時すぎと長丁場のイベントだったが、フロアは終始満員状態。ファン層の異なるアーティストが並ぶラインナップながら、オーディエンスもスペシャルな一夜を楽しもうという熱いムードに満ちていた。そしてそれは、設立4周年を迎えたレーベルのアイデンティティを強く感じさせる事実でもあった。というわけで、この記事では、ライブの模様を通じてunBORDEというレーベルの特異な魅力について、考察していきたい。

androp

 レーベルヘッドの鈴木竜馬氏による開会宣言に続いて、トップバッターに登場したのはandrop。内澤らバンド4人が登場し、満員状態のフロアに向けて伸びやかな歌声と躍動的なリズムを放つ。内澤はMCで「もっとレーベルを知ってもらいたいし、そのためにもいい音楽を作りたい」と語る。「Mirror Dance」では歌詞を「unBORDEが好きだ」と変えて歌う。さらに「自分の限界を自分で決めないなら、何だってできるという歌を歌います」と力強く告げて、「Run」を披露。ラストに歌った「Voice」も含めて、今のandropというバンドの大きな武器となっているのは、「♪Wow~」というフレーズでシンガロングさせ、大きな一体感をもたらすようなポップソングだ。インディー時代はメンバーの名前も明かさないほどの匿名性の強いバンドだったことを考えると、unBORDEというレーベルに所属してバンドのあり方が大きく変化したことが伺える。

RIP SLYME

 二番手はRIP SLYME。揃いのツナギとサングラスをまとって5人が登場すると、まずはクラシカルにリアレンジした「One」、そして「FUNKASTIC」「楽園ベイベー」とアッパーチューンを連発してフロアを熱くする。RYO-Zは「いろんなアーティストのファンがいるから、きっと曲を知らないこともあると思う。その時はどうすればいいか? 知ったかぶりをしろ!」と煽り、オーディエンスに歓声を巻き起こす。さらに「熱帯夜」ではチームしゃちほこの面々がバックダンサーに参加。「JOINT」では高速ドラムンベースのトラックに乗せてフロアの全員がタオルを回していた。2001年デビュー、今年で母体の結成から20周年を迎えた彼らは、レーベルの中でも最も先輩格。でも決して重鎮にならない彼らの軽くてオープンな存在感とエンタメ精神は、レーベルカラーにも大きく寄与しているはずだ。

チームしゃちほことRIP SLYMEで「熱帯夜」を披露

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