乃木坂46はクリスマスライブを経てどう変化? 世代交代に向けたサプライズの背景を読む

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 そして、ライブを通して際立ったのは、西野七瀬の表現力と松井玲奈のパフォーマンス力の高さだった。西野はカメラに抜かれるたびに、一つ一つの仕草や表情で観客を虜にする表情の豊かさがあったし、カップリング1位に選ばれた「他の星から」を発表した際に、『紀の善』のあんみつをカメラに見せる向きを間違えるという天然っぷりも相変わらずだった。

 松井玲奈は本人が言ったように今回が乃木坂46のメンバーとしては初の東京公演出演であった。12月14日の昼公演では、「制服のマネキン」で生駒の代役としてセンターを務め、その他不在メンバーのアンダーとして多くの曲でパフォーマンスしていた。乃木坂の曲をしっかり踊りきるのも素晴らしいのだが、フリーのときの彼女はより凄かった。パワフルな煽りと溌剌とした笑顔で、疲れも見せず、観客を次々と乗せていくスキルの高さは圧巻だった。

カップリング曲人気順に見る、楽曲の物語性

 カップリング人気投票結果発表では、3公演にわたって30位から1位までが発表された。中間発表では、「せっかちなかたつむり」が下馬評通りの人気の高さを見せ、アンダーライブのユニット曲リクエストに続いて二冠かと思われた。しかし、それを阻んだのは10位外からジャンプアップした「他の星から」。フロントが生駒里奈&生田絵梨花&星野みなみの“生生星”から、白石麻衣&橋本奈々未&松村沙友理の“御三家”へと変わった6thシングル『ガールズルール』に収録されている、西野七瀬、井上小百合、桜井玲香、中田花奈、若月佑美という94年組を中心とした第三勢力によるアイドルEDM。この曲を含めて西野、桜井、斉藤優里はアルバムに入るカップリング曲の10曲のうち6曲を歌っている。

 選ばれた10曲は、MVがない曲が3曲、アンダー楽曲が3曲入るなど、様々な評価基準の元に選ばれているのがわかる。そんな中、握手券の購入と連動した投票システムの今回、センターを務めた伊藤寧々が卒業したことで票数的には圧倒的に不利なはずの「涙がまだ悲しみだった頃」がランクインしたのは非常に興味深い。『アンダーライブ・セカンドシーズン』での感動が、楽曲に物語性を持たせ、票に大きく結びついたと思われる。
 

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