嵐・二宮和也の歌詞はなぜ女性目線? ソロ曲から恋愛観を読み解く

自ら作詞をすることもある二宮。

 嵐のメンバーの中で特に“演技派”として知られるだけではなく、高い歌唱力を持ち、作詞・作曲もこなすなど、音楽的才能にも恵まれた二宮和也。以前、当サイトでは【嵐・二宮和也が作る曲はなぜ泣ける? 情感豊かな歌詞世界のルーツを辿る】という記事で彼の音楽ルーツを辿ったが、本稿では彼の書く恋愛ソングの歌詞について、さらに掘り下げるとともに、その恋愛観にも迫ってみたい。

 二宮の恋愛ソングは、相手への気持ちを甘い言葉で歌い上げる……というタイプとは少々異なる。たとえば、2007年に発売されたアルバム『Time』に収録された「虹」には、こんなフレーズがある。

面倒くさいからって/素直じゃないんだから
何で言えないのかな?/好きだよ。/一言よ?

 このように「虹」は、女性の目線から描かれた歌詞が特徴的だ。「好きだよ」という一言が言えない恋人に対しての思いを歌った内容で、多くの場合、女性が共感を寄せるものだろう。歌詞の後半には「今日は私と君が名字を重ねた日」というフレーズもあり、同曲がウェディングを背景にしていることも伺える。

 2012年に発売されたアルバム『Popcorn』に収録された「それはやっぱり君でした」は、「虹」のアンサーソングとされ、今度は男性目線で次のような内容が歌われている。

優しく笑う君があの時間が空間が/泣きたくなるくらい一番大事なものだよ
何て言ってた頃は言えなかった/…どうして言えなかったのかな?

 「それはやっぱり君でした」は、恋人に素直な想いを告げられなかったことを悔やむ内容で、「君にご飯を作って/君に好きなものをだして/でも減らない」といった歌詞から、その恋人とは死別したことも伺える。おそらく二宮は、こうした悲しい物語を通して、愛する人へ素直に想いを伝えることの大切さを歌ったのだろう。この2作からは、強いメッセージ性とともに、二宮自身の真っすぐでピュアな恋愛観も伺える。

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