Perfumeが3度目のワールドツアーへ 海外メディアでの評価を改めて検証
一方イギリスの通信社ロイターは別の見方をする。「J-POPグループPerfumeに世界的成功の兆し」と題した記事は、彼女たちが「日本らしさ」を売りにしている点がこれまでにない際立った特徴だと分析。「従来のレコード会社の戦略といえばJ-POPのアーティストたちに欧米風なサウンドとヴィジュアルを仕込むこと。特に英語で歌うことやヒップ・ホップ、R&Bといったジャンルに挑戦させることだった。しかしPerfumeはそれと真逆の戦略をとろうとしている。日本のポップカルチャーが世界中でこれだけ浸透するなか、彼女たちに求められているのは欧米を真似することではなく『日本らしさ』-近未来的な日本というイメージ。実際Perfumeの担当ディレクターはこう話している『私たちは日本人であり、アジアの一員でもある。だから自分たちが得意なことをやればいいのだと思う。それは良質なポップ・ソングを歌うことだ』と」。
また同記事では、ソーシャルメディアの浸透によってこのような文化の拡散が容易となったことも追い風になっていると指摘。「YouTube上の動画では凝った照明演出に、一糸乱れぬ振付け。そして巨大スクリーンを装備したハイテクなライブの模様を観ることができる。そしてそれらに交じって彼女らの楽曲の振り付けを必死で真似た欧米のファンの投稿も目立つ」。TIMEとロイターの記事をまとめると「Perfumeは欧米アーティストの真似事ではなく、テクノロジーと日本らしさを融合させた自分たちだけの世界観を築いてきた。それを世界中の日本好きな若者たちがまず支持し、ソーシャルメディアによって(日本文化に)関心のなかった層にまで浸透してきている」。これがPerfume成功の理由と言えるのかもしれない。(参考:ロイター)
Perfumeはワールドツアーに先立ち7月にニューシングルをリリース、8月からは全国アリーナツアーも開催される。また秋口には昨年行われたヨーロッパツアー「Perfume WORLD TOUR 2nd」のブルーレイ・DVDもリリース予定。今後も彼女たちの活躍から目が離せなさそうだ。
(文=北濱信哉)
■ライブ情報
『Perfume WORLD TOUR 3rd』
10月31日(金) 台湾 @Taipei International Convention Center
11月2日(日) シンガポール @Resorts WorldTM Theatre, Resorts World Sentosa
11月9日(日) ロサンゼルス(アメリカ) @HOLLYWOOD PALLADIUM
11月12日(水) ロンドン(イギリス) @EVENTIM APOLLO HAMMERSMITH
11月15日(土) ニューヨーク(アメリカ) @HAMMERSTEIN BALLROOM
詳細:「Perfume WORLD TOUR 3rd」特設サイト