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柴那典が新作『DIAMOND』を掘り下げ解説

でんぱ組.incへの楽曲提供でも話題 Wiennersが音楽的ルーツとする「3つの街」とは?

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 ゼロ年代前半当時、同じサブカルチャーであっても「西荻系」と「ネオ渋谷系」との交流、パンクとフューチャーポップの融合はほとんど無かった。こうして今聴くと、前のめりでハチャメチャでキャッチーな音楽性は共通しているが、その両方の影響をリアルタイムで受けたミュージシャンは殆どいなかったはずだ。その二つのミックスカルチャーな音楽を志したことが、Wiennersというバンドの結成の背景にあったのだという。

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 さらに「秋葉原」。これは玉屋2060%の直接的なルーツではないが、でんぱ組.incへの楽曲提供を通じて彼が知ったアキバ系の音楽カルチャーやアイドル文化が、Wiennersというバンドにもポジティブな影響を与えているのは間違いない。

数あるアイドルグループの中でも、でんぱ組.incがユニークなのは、結成当初から「電波ソングを歌うグループ」を掲げてきたこと。「電波ソング」とはいわゆる萌え系アニメや美少女ゲームの主題歌に多い、突拍子もないアレンジやネタ的な歌詞が散りばめられた、ぶっ飛んだ展開の楽曲を指す言葉だ。代表的なグループはMOSAIC.WAV。

MOSAIC.WAV – Superluminal Ж AKIBA-POP [PV]

 また、TVアニメ『らき☆すた』のオープニングテーマ「もってけ!セーラーふく」(作曲:神前暁、作詞:畑亜貴)もゼロ年代「電波ソング」の代表的な楽曲である。

 玉屋2060%がでんぱ組.incに初めて提供した「でんぱれーどJAPAN」で作詞を担当したのが畑亜貴。その意味不明かつハイテンションな言語センスは、彼の作風にも大きな影響を与えたはずだ。

でんぱ組.inc「でんぱれーどJAPAN」Music Clip Short ver.

 こうしてWiennersは、西荻系、ネオ渋谷系、アキバ系、それぞれ別の場所とカルチャーを母体にでゼロ年代に生まれていた「高速で、手数が多くて、素っ頓狂な音楽」の潮流が流れ込んだ、まるでメルティングポットのような音楽性を持つバンドへと育っていった。玉屋2060%は、でんぱ組.incのリミックスではカットアップを多用した編集センスを見せたり、吉祥寺Pを名乗ってニコニコ動画に新曲「VIDEO GIRL」の初音ミクバージョンを投稿したりと、バンドサウンドだけにこだわらない柔軟な発想を持ち合わせたクリエイターとして成長していった。

 その独特なセンスを、玉屋2060%の持ち前の「和」の情緒を浮かび上がらせるようなメロディと共に展開したのがアルバム「DIAMOND」なのである。メジャーでの活躍を通じて、バンドはより広く注目を集める存在になっていくはずだ。期待したい。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

■リリース情報
『DIAMOND』
発売:6月18日
価格:初回限定盤【CD+DVD】 ¥3,000(tax in)
   通常盤【CDのみ】 ¥2,600(tax in)

<収録内容>
1. DIAMOND DUST
2. 蒼天ディライト
3. 天地創造
4. FUCK OFF
5. 片瀬江ノ島
6. VIDEO GIRL
7. Play for
8. 南無阿弥陀仏のリズムに乗って
9. LOVE ME TENDER
10. ドリームビート
11. ELECTRIC FOR YOU
12. ASTRO BOY
13. 雪国

      

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