西野カナ「Love Collection Tour ~pink & mint~」ライブレポート
豪華演出で12000人が大興奮 西野カナが横浜アリーナで見せた、ライブパフォーマンスの進化形
そんな「見せる」演出に加え、アトラクション的な「参加する」演出も、このライブの楽しさのひとつだろう。それはアンコールの1曲目の「Join us!」。西野カナのライブでは初となるトロッコに乗って登場したのだが、そのトロッコが観客の埋め尽くすアリーナをグルッと一周。表情も衣装もはっきりと分かるほどの接近に、ファンは大興奮、西野カナやダンサーの先導で一緒にダンスも踊って一体となってライブを盛り上げていた。また「FreFlow(フリフラ)」という無線機能付きリストバンド型ライトという新しい試みも興味深かった。観客が付けたリストバンドが照明に合わせて青やピンクに変わるライトなのだが、ライブに「参加している」という一体感を高めるのに一役買っていた。西野カナが“魔法のステッキ”を使ってフリフラの色を演出したり、アーティストとファンのコミュニケーションにつながる演出も見ることができた。
そして、西野カナ自身のアーティストとしての魅力が、この日訪れた12000人のファンを惹きつけていた。「たとえ どんなに…」や「君の声を feat. VERBAL(m-flo)」というキーの高い楽曲を続けて歌っても、ダンサーやファンと一緒に踊りながら歌っても、弛まない安定感のある歌唱力は、多くのステージを踏んできた経験によるものだろう。その一面で、たくさんのスペシャルゲストや豪華演出に「こんなヤバい日、なかなかないと思うんやけど」と告げて、ファンと「めっちゃヤバい!」のコール&レスポンスをしたりと、彼女はファンにとって遠い憧れのスターというよりも、より身近な存在として親しまれていると感じた。ライブ中ずっと彼女に合わせて一緒に歌を口ずさんでいる10代くらいの女の子がとても印象的だった。
デビュー曲の「I」や新曲の「We Don’t Stop」、「好きな音楽でみんなに出会えたことにありがとうと言いたいです」と語って歌った「Best Friend」など様々な楽曲を披露した約3時間のライブ。エンターテインメント性に富み、ファンとのつながりの強さを感じるファイナルだった。
(文=高木智史)
■セットリスト
1.君に会いたくなるから 2.Believe 3.GO FOR IT!! 4.会いたくて 会いたくて 5.Dear… 6.I / glowly days 7.【BAND TIME】 8.たとえ どんなに…(Acoustic ver.) 9.君の声を feat.VERBAL(m-flo) 10.君って 11.私たち 12.【DANCER TIME ~ DJ TIME】 13.LIGHTS,CAMERA,ACTION FANTASY Love you Miss you Every Boy Every Girl Sweet Dreams 14.Summer Girl feat.MINMI 15.さよなら 16.涙色 17.遠くても feat.WISE 18.Sherie 〈ENCORE〉1.Join us! 2.We Don’t Stop 3.Best Friend 〈ENCORE2〉HAPPY HAPPY