デビュー10周年のBerryz工房 「異端のアイドルグループ」が愛され続ける理由とは?
ハロー!プロジェクトのイベント「Hello! Project ひなフェス 2014 ~Full コース~」が3月29、30日に神奈川・パシフィコ横浜展示ホールA / Bで開催された。全4公演、所属の各グループがそれぞれメインをとるという内容だった。
2日目の30日、関東地方はあいにくの強風と大雨に見舞われていた。だが、夕方になるとその雨は止み、会場のある横浜の空には“七色の虹”がかかった。30日夜公演のメインは今年3月3日にデビュー10周年を迎えた“7人組”、Berryz工房だ。今まで幾度となくその奇跡とも思える晴れ女っぷりを発揮してきた。それはファンの間でも語りぐさとなっており、今回もそんな晴れ女伝説が一つ増えたのである。
その10年というアイドルとしては充分過ぎる貫録から、ハロー!プロジェクト内では後輩に慕われるよりも、怖がられることの多い彼女たちではあるが、その実力と経歴、そして何より強烈な個性により、熱心なファンも多い。また、フットボールアワーの岩尾望、SUPER☆GiRLSの前島亜美なども大ファンであることを公言しており、業界でも人気の高いグループとして知られている。
今回は、そんな彼女たちの魅力に迫ってみたい。
ももちだけではないキャラの濃さ
今やバラエティ番組では欠かすことの出来ないポジションを確立した“ももち”こと嗣永桃子。そのイラドルっぷりに最初は苛立ちを覚えながらも何故か気になってしまう、その内面にある不屈の信念に気が付く、そんな人も少なくはないだろう。
初めてBerryz工房を見る人は自称176cmのアイドル界のスカイツリー・熊井友理奈や、青文字系モデルを思わせる髪色の菅谷梨沙子など、ももちに負けずとも劣らないインパクトを持つ他メンバーに目が行くかもしれない。そう、Berryz工房には俗に言われるような“正統派アイドル”がいないのだ。その異端さは、10年という経歴と共に、アイドルに求められるフレッシュ感とはかけ離れた個性ではあるのだが、その分、どのアイドルグループにも負けない存在感を放っており、彼女たちの武器にもなっている。
「個性的」という言葉は、言い方によってはどんなグループにでも当てはまる言葉なのかもしれない。だが、これほど「個性的」という言葉がしっくりくるグループは他にいないのではないだろうか。
楽曲の振り幅の広さ
つんく♂はBerryz工房のプロデュースに関して「最初のイメージとは意図しない形になる」と語っている。そこに面白さと可能性を感じ、ハロー!の中では一番バラエティに富んだ楽曲を作っているとも言っている。
猿の格好で踊り狂っているかと思えば、男装の麗人が宝塚歌劇さながら妖艶にロックナンバーを熱唱する。『1億3千万総ダイエット王国』という一見耳を疑ってしまうフレーズですら、ソウルシンガー級の野太い歌声を持つ菅谷梨沙子と、鋭さと艶やかさを備えた夏焼雅の二人がオペラ調に歌い上げれば、その貫録とオーラの前にひれ伏すしかない。まさにプロデューサーお墨付きの「かっこよくてアホやれる2.8枚目」である。