E-girls、YMO名曲「RYDEEN」カバーの狙いは? 新アルバムから読み解く“攻め”のスタイル

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3月19日にニューアルバム『COLORFUL POP』をリリースするE-girls。

 E-girlsが3月19日にリリースするニューアルバム『COLORFUL POP』の発売に先駆けて、「RYDEEN 〜Dance All Night〜 (Music Video)」のミュージックビデオが解禁された。同アルバムの1曲目に収録されるこの曲は、YMOが残した稀代の名曲「RYDEEN」をラテン風にアレンジし、妖艶な歌詞を付けた曲となっている。

 E-girls最大の魅力であるダンス。MVでは、毎回テーマを変えて、様々なパターンの踊りを見せてくれるが、今回はラテン調の楽曲とナイトクラブを連想とさせる歌詞に合わせて、3パターンのセクシーな衣装が目まぐるしく変わっていく。また、振り付けやポーズに挑発的なものが多く、ここ最近の傾向であった明るくポップなイメージよりも、グラマラスなイメージが強調されている。

E-girls / RYDEEN 〜Dance All Night〜 (Music Video)

 当サイトでは、2月26日に発売されたシングル『Diamond Only』や、最近のE-girlsがリリースする曲の傾向から、彼女たちはポップ路線へシフトしていくのではないかということを以前に紹介した(参考:E-girlsは年々若返る!? ガーリーポップ路線で新規ファンを開拓中)。

 今回のアルバムではそのポップ路線に加え、バラードの「サヨナラ」、「未来へ」、「Winter Love ~愛の贈り物~」の他にも、ミドルテンポの切ないダンスチューンであり、派生ユニットのHappinessに近い「Fancy Baby」や、Flowerを彷彿とさせる「約束の場所」など、「RYDEEN 〜Dance All Night〜」以外にも様々な形で大人っぽい顔を覗かせている。

 このフルアルバムの戦略について、ライターの中西英雄氏は以下のように語る。

「近頃のE-girls人気は、昨年末の『紅白歌合戦』出場が大きいと思いますが、2月にリリースされたシングル『Diamond Only』のアクティブなハウス・チューンからもわかる通り、保守的な楽曲に走ることなく、だいぶ攻めてきていると思います。EDMサウンドが落ち着いたことで、K-POPとの差別化も確実に図れていますし、ルックスや勢いだけで乗り切ろうとしていない。彼女たちのしっかりとした歌とパフォーマンス、そして楽曲のクオリティで勝負を挑んでいるアルバムは、固定ファンのみならず、新規のリスナーも獲得できる十分な内容だと思います。また、E-girlsが複数のユニットで形成されているという事実も、こうしたフルアルバムでポテンシャルを最大限に発揮するかと思います。ファン層は異なると思いますが、モーニング娘。’14やももいろクローバーZなど、歌って踊れて楽曲も申し分のないアイドルグループが数多く存在するなかで、E-girlsのこの新作がどのような影響を及ぼすのか、気になるところですね」

 これからもE-girlsにとって、勝負曲であるシングルは、あくまでキャッチ―なガーリーポップ路線を踏襲し続けるのかもしれない。だが、元々はコンセプトの違う3つのグループから構成されているだけに、フルアルバムでは、どれか一つのスタイルに頼らない「カラフル」なラインナップで戦うという方針なのだろう。
(文=編集部)

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