MONKEY MAJIK、Rake、HY......2大出身地は仙台と沖縄? 地元在住アーティストたちの今

 プロのミュージシャンを目指す人々、そしてデビューした人々の多くが経験すること。そのひとつが“上京”である。理由はさまざまあれど、大手のレコード会社や芸能プロダクションのほとんどが東京に本社を置いていることや、メディアへの露出のため、より多くのファンにアプローチできるという点も関わっているだろう。しかし、その一方でデビューしても(そして人気アーティストになっても)、地元で暮らし、そこを拠点に音楽活動を続けている人たちがいるのも事実。今回はそんな地方在住アーティストにスポットを当ててみたいと思う。

 まず、地方在住アーティストにもいくつか種類がある。生まれ育った場所や、長く住んでいる街でそのまま音楽活動をするパターンもあれば、仕事や学業を持っているがゆえ、地元あるいは地方に暮らすことが前提となっているパターンも。前者でいえば、仙台在住のMONKEY MAJIKや京都在住の10-FEETらが当てはまるし、後者では鹿児島・奄美在住の2人組ユニット・カサリンチュ(タツヒロが製糖工場で働く会社員(2013年6月に退職)、コウスケは昼は弁当屋、夜は居酒屋に勤務)、デビュー当時のGReeeeN (全員が福島の大学に通う学生だった)が挙げられる。いずれも地方にいながら、全国にファンを持つアーティストたちだ。彼らは地方で暮らしながら、プロモーションなど必要に合わせて上京するスタイルをとっている。一方で震災以降、活動拠点を地方に移したアーティストも多い。新メンバーとともに地元・京都に戻ったくるり、家族ともども沖縄に移住したUAらがその代表格。彼らもまた地方在住ミュージシャンと言えるだろう。

 さらに、いろいろ調べてみると地方在住ミュージシャンが多い地域というのも見えてきた。圧倒的に多いのが仙台と、沖縄。仙台には前述のMONKEY MAJIKのほかシンガーソングライターのRake、ヒップホップユニット・GAGLEなどが在住。沖縄にはHY、MONGOL800らが今も暮らしている。

 仙台勢で注目したいのは「エドワード・エンターテインメント・グループ」の存在だ。仙台に本拠地を置くこの会社は、ライブの企画からアーティストのマネジメントまでを行うれっきとした音楽会社。先のMONKEY MAJIKやRake、GReeeeNも実はこちらの所属だった。(※編集部注:MONKEY MAJIKとGReeeeNは現在は別会社に所属。謹んで訂正いたします)地方では難しいとされてきたマネジメントの土台をきっちり作り上げ、積極的に新たな才能の発掘も行っているという点が何よりの強み。上京せずとも音楽活動を行える環境が整っているのだ。東京まで新幹線で約2時間という距離も、絶妙なのかもしれない。一方、沖縄勢に共通するのは“郷土愛”。沖縄という土地にはそもそも密な人間関係と独自の音楽文化が形成されており、楽曲そのものにも風土が色濃く表れているアーティストも多い。地元を大切にする姿勢はファンとの信頼感を強め、あえて上京せずとも全国区での活動を後押ししてくれるような構造ができあがっているのではないだろうか。トップアーティストを数多く輩出しながらも、在住ミュージシャンの少ない福岡や広島の例を見るにつけ、根付きやすい土地とそうではない土地の差があるようにも思う。

 ネット環境の進化によって、ミュージシャンのアピールの場は増えたとはいえ、いまだ“上京神話”は根強く残っている。しかしそこにきて、昨今話題のご当地アイドルブームである。ネットで話題になり、一躍全国区に知れ渡ったRev. from DVLの橋本環奈(福岡)のように、地方に暮らしていても大舞台で活躍できるチャンスがあることを多くの女の子たちが立証した。この現象も今後より活発になるならば、いつしかご当地バンドブームが巻き起こる日もやってくるかもしれない。
(文=板橋不死子)

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