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吉岡里帆×向井理、“殺された”2人の終着点は? 『きみが心に棲みついた』が描く愛情の形

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「それは恋愛じゃなくて、依存する相手が俺に代わるだけなんじゃないかと思う……だから、ごめん」

 吉崎(桐谷健太)は、星名(向井理)から離れたくても離れられないキョドコ(吉岡里帆)を、どう理解していいかわからないと嘆き、別れを切り出した。人に愛されて育った吉崎と、そうではない痛みを抱えてきたキョドコと星名は、やはり住む世界が違うのだろうか。

 吉崎は善人だ。その言動も正論で、キョドコともちゃんと向き合おうと努力をした。だが、光の中しか知らない吉崎にとって、キョドコが母親と何年も話していないという状況は考えられないし、「そのままでいいの?」と悪意なく切り込んでいく。そのままでいいとは思っていないが、どうしたらいいかわからず保留にしている関係も世の中にはある。距離を置くことで心を守っている人もいるのだ。分かり合えないことを許容するというのも、ひとつの愛。頭ではわかっていても「話したくなったらでいい」と言っていた吉崎だが、いざ自分が振り回される立場になると、その愛の形を実現する難しさに直面したのだろう。

 一方、キョドコも吉崎の光を受けて変わろうと努力した。足が遠のいていた実家に帰り、小さいころから「イライラする」と言われてきた悲しみを、母親に「ずっと傷ついてきたんだよ」と伝える。それは勇気が必要なことだったはず。歩み寄らない相手に対して、きっぱりと自己を主張したのは大きな一歩だ。自分が、母親の気に入られなかった所有物のひとつではなく、ひとりの人間であることを知ってほしい、という確かな意志。これまで愛されたい一心で相手の思うままに行動してきたキョドコは、相手の意志を自分の意志と思い込んできた。その結果「やってることと言ってることがめちゃくちゃ」と言われてきた彼女にとって、それは明らかに成長だった。

 「最終的には私の意志で歩きました」。星名に言われて下着姿でランウェイを歩いたことを、“自分の問題だ“とはっきりと語り、堀田(瀬戸朝香)や八木(鈴木紗理奈)の目を見て「私がきちんと断ればいい話だったんです」と説明したキョドコ。2人には、星名に言われるままに行動していたころと変わらず、かばっているように見えたかもしれない。だが、その行動の主軸が星名ではなく、キョドコ自身にあるという点で全く意味が異なる。もちろん、その変化は吉崎の愛が自信をくれたからこそ。だから、もし吉崎が今以上にキョドコの成長を急かしてしまったり、キョドコに翻弄されて自分自身が崩れてしまうというのであれば、“別れる“という距離のとり方もまた、キョドコと自分を守る愛の形なのだろう。

 「今日子が、他の人に嫌われないように私が教えてあげたんだ」。キョドコの母親は、自分がイライラして傷つけてきたことを正当化してこう言った。星名の母親(岡江久美子)も、不倫相手にそっくりな星名に整形を勧めたとき「漣が、これ以上ツラい思いをするのを見ていられない」と説得した。自分の思い通りに相手を動かそうとする、こうした行為こそ愛とは真逆のところにあるようだ。本当は自分の意図で指示しているのに、「あなたのために」と押し付けてきた結果、誰のために生きているのかわからなくなってしまったのが、キョドコと星名だ。

      

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