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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

『グレイテスト・ショーマン』圧勝で初登場1位 日本人はアメリカ人よりミュージカル映画好き?

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 先週末の映画動員ランキングは、ヒュー・ジャックマンが19世紀アメリカの実在の興行師P.T.バーナムを演じるミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』が初登場1位。土日2日間で動員26万8000人、興収3億9100万円と、2位の『今夜、ロマンス劇場で』にトリプルスコア以上の差をつけての圧勝となった。公開初日からの3日間の累計は、動員35万5000人、興収5億800万円。『ジオストーム』のスマッシュヒットはあったものの、今年に入ってから日本映画優位の情勢が続いてきた映画興行において、今年最初の外国映画の大ヒット作品(昨年12月公開『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』は除いて)となりそうだ。

 『グレイテスト・ショーマン』の興行成績の伸びに期待ができる理由は、日本人の観客が世界有数の「アメリカのミュージカル映画好き」だからだ。必ずしもミュージカル映画すべての作品がヒットするわけではないが、日本で一旦ヒットのゾーンに入ったミュージカル作品は、普段あまり映画館で映画を観ない層にまで波及して、ロングヒットとなっていく傾向が強いのだ。

 2012年の年末に公開されたヒュー・ジャックマン主演の『レ・ミゼラブル』は結局一度も週末ランキングで1位にはならなかったものの、日本で累計興収58.9億円を記録。2013年度の年間興収ランキングで第4位、外国映画では『モンスターズ・ユニバーシティ』に次いで年間第2位という堂々たる成績を収めた。一方、同作のアメリカ国内の累計興収は約1億4880万ドル。日本円に換算して約160億円と、もちろん十分にヒット作と呼べる数字なのだが、日本とアメリカの映画マーケットの大きさの違いをふまえると、そこまでの大ヒットではなかったことがわかる。同作はアメリカでは2012年度(日本と違って公開された年に集計される)の年間興収ランキングで18位という成績に終わっている。

 もっと意外に思う人が多いのは、まだ記憶に新しい昨年の『ラ・ラ・ランド』かもしれない。世界中で絶賛され、アカデミー賞でも監督賞、主演女優賞、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞と、その年の最多6部門に輝いた同作だが、アメリカ国内の累計興収は約1億5110万ドル。その年の年間興収ランキングで19位。現在のアメリカにおけるミュージカル映画は、どんなに高く評価されても興収1億5000万ドルあたり、年間興収ランキング20位前後が上限という、ニッチなマーケット向けの作品なのだ。一方、日本での『ラ・ラ・ランド』は、メジャー配給作品ではなかったにもかかわらず累計興収44.2億円、年間興収ランキング10位(外国映画では8位)という好成績を記録した。

      

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