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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

アカデミー賞最有力、『スリー・ビルボード』好発進 賞レースの結果次第ではロングランも?

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 先週末の映画動員ランキングは、前週に引き続き『祈りの幕が下りる時』が1位。2位には『羊の木』が、3位には『不能犯』が初登場と、全体の数字はそれほど高くはないもののトップ10の上位3作品がすべて実写の日本映画となった。ちなみに、その前にトップ3がすべて実写の日本映画だったのは、それぞれ『アウトレイジ 最終章』、『ナラタージュ』、『亜人』が1位、2位、3位だった昨年の10月第2週以来。その前となると、『バクマン。』、『ヒロイン失格』、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』が1位、2位、3位だった2015年10月第1週まで遡らなくてはいけない。正月シーズン、ゴールデンウィーク、サマーシーズンなどの谷間となる時期にしかなかなか起こらない現象だが、今回のトップ3はいずれも観客層の中心が20代以上であることが特徴。「大人の日本映画」復調の兆しと言えるかもしれない。

 そんな中、127館という限定された公開規模でありながら初登場で8位にランクインした『スリー・ビルボード』に今回は注目。映画サービスデーの2月1日(木)に公開された同作の週末までの4日間の累計成績は動員6万7460人、興収8535万9600円。監督・脚本のマーティン・マクドナー、主演のフランシス・マクドーマンドともに参考となるような過去の日本での興行実績はほとんどないだけに、ゴールデングローブ賞を4部門受賞したことをはじめとする前評判の高さと、ソーシャル・メディアを中心とする口コミだけで好成績をあげたことになる。一部の劇場ではパンフレットが早々に売り切れるなど、作品を観終えた後の観客の熱の高さもうかがえるので、今後もしばらくは堅調な興行が続くだろう。

 『スリー・ビルボード』は今年のアカデミー賞で作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚本賞、作曲賞、編集賞の6部門で7つのノミネート。特に主演女優賞、脚本賞では最有力候補と目されていて、助演男優賞にウディ・ハレルソンとサム・ロックウェルがダブルノミネートされるなど、役者たちの優れたアンサンブル作品としての評価も高い。今年のアカデミー賞授賞式は冬季オリンピックとの時期の被りを避けるため、例年より1週遅い3月4日に開催される。2月1日公開の同作にとってはちょうど息切れしてくるタイミングとなるが、受賞結果次第ではアカデミー賞効果も充分に狙える。

 昨年はアカデミー賞の作品賞にノミネートされた9作品中、授賞式開催前に日本公開された作品は『ラ・ラ・ランド』1作のみ。授賞式から半年以上遅れて公開となった『ドリーム』や、結局日本では劇場公開されなかった『フェンス』など、アカデミー賞効果云々を語る以前に、そもそも日本の配給会社の態勢自体がまったく整っていなかった。一方、今年はノミネート9作品すべての作品が6月までに日本公開されることが決定していて、『スリー・ビルボード』、『シェイプ・オブ・ウォーター』(3月1日公開)、『ゲット・アウト』、『ダンケルク』と授賞式までに日本公開されている作品は4本、まだ賞レース結果の余韻が残っている3月中に公開される『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(3月30日公開)、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(3月30日公開)と合わせて計6本が好タイミングで公開されることになる。

      

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