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リドリー・スコット×トム・ハーディ、歴史の暗部をえぐるーー禁断のドラマ『TABOO』の魅力

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 「なんだなんだ、この異常なまでの禍々しさは!」。4月25日からSTAR CHANNELで放送が開始されるドラマ『TABOO』の第一印象を一言で言い表すならそうなる。冒頭、アフリカに“消えた”はずの主人公ジェームズ・ディレイニー(トム・ハーディ)が、父が死んだという報を受けて、1814年のイギリスに舞い戻ってくる。父親の死体を前にして、彼はこう言う。「許してくれ、父さん。俺は大罪を犯してしまった」。晩年は変わり者として周囲から忌避されていたという父と、アフリカに渡って奴隷貿易にまつわる汚れ仕事に手を染めていたらしい息子。どうやら二人は絶対に人には言えない何かの秘密を共有していたようだ。こうして、『TABOO』のミステリアスな物語は幕を開ける。

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 英国のBBCと米国のFX(大手FOXグループの中にあって最もエッジの立った作品を送り出している局。昨年の『アメリカン・クライム・ ストーリー/O・J・シンプソン事件』はゴールデン・グローブ賞で作品賞を受賞)が製作に名を連ねている本作『TABOO』には、いずれも映画界のトップとしてハリウッドを中心に活躍している英国を代表するプロデューサー、脚本家、役者が集結している。

 製作総指揮には、言わずと知られた巨匠リドリー・スコット。脚本は、『イースタン・プロミス』『マリアンヌ』といった秀作の脚本のほか、近年は『ハミングバード』『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』で監督としても頭角を表しているスティーヴン・ナイト。そして、主演は『ダークナイト ライジング』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『レヴェナント: 蘇えりし者』のトム・ハーディ。それぞれ、70代、50代、30代と各世代を代表する英国生まれの映画人である彼ら(スティーヴン・ナイトとトム・ハーディは『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』以来のタッグとなる)が本作で挑むのは、多くの日本人にとっては歴史の教科書でしか馴染みのない(あるいは『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジャック・スパロウのかつての雇用主にして、敵役として登場したことを記憶している人もいるかもしれない)“イギリス東インド会社”の奥底に潜む闇の世界だ。

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 興味深いのは、本作『TABOO』の中心的なクリエイターの3人として、スティーヴン・ナイト、トム・ハーディの他にもう1人、チップス・ハーディという名前がクレジットされていること。そのファミリー・ネームからもわかるように、チップス・ハーディはトム・ハーディの父にして、劇作家として知られている。実はこの『TABOO』の深淵なストーリーは、トムが最初に着想を得て、それを父と共に発展させていったものだという。冒頭に記した通り、それが父と子の間の何かの秘密に関わる物語というのはちょっとできすぎた話であるが、きっとそこに、この作品の熱源のようなものが潜んでいるのだろう。

 今や、ハリウッドの大スターがドラマシリーズの主演をやるのは珍しいことではなくなったが、本作が実現するまでのそんな経緯を踏まえるまでもなく、作品を見れば一目瞭然、トム・ハーディが本作に注いでいる情熱には誰もが圧倒されるはずだ。「俺は死についてよく知っている」と厳かに語る『TABOO』の主人公ジェームズ・ディレイニー。その得体の知れなさは『ダークナイト・ライジング』のベインにようであり、その孤高の存在感は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のマックスのようであり、その野蛮さは『レヴェナント: 蘇えりし者』のジョン・フィッツジェラルドのようである。『TABOO』を観ていると、トム・ハーディの近年における充実したフィルモグラフィーとそこで演じてきた名キャラクターは、まるで今回の主人公を演じるためにあったようにさえ思えてくるのだ。

      

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