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宇野維正の興行ランキング一刀両断!

先週末が最後の1位? 『アナ雪』超えは無理? 一足先に『君の名は。』の大記録を検証する

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デスノート Light up the NEW world
ファンタスティック・ビースト と魔法使いの旅
君の名は。
宇野維正
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 『君の名は。』がエンターテインメント作品として様々な要件を満たした見事な作品であることは疑いようがなく、ここまでの記録的なヒットとなることは予想できなかったとしても結果には納得しているし、今後続々と各国で公開が始まるその世界展開にも大きな期待を寄せている。といった前置きをさせてもらった上で、毎週この興行分析コラムを書いている立場からあえて言わせてもらうなら、「いやー、長かった!」。3週前に1週だけ『『デスノート Light up the NEW world』に1位を獲られた以外、この13週で12週1位。実に1年の4分の1、3ヶ月間にわたってこのコラムの冒頭で『君の名は。』の成績に触れなくてはいけなかったことになるが、それも今週で最後になるはず。

 というのも、今週の水曜日、祝日の23日から、今年のクリスマス〜正月興行の目玉の一つとなる『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が、11月18日のアメリカ公開から間髪入れずに日本でも公開。多くの人が予想できた通り、初日の23日から『君の名は。』をはるかに上回る興行成績を記録しているのだ。『ハリー・ポッター』シリーズの外伝的な作品となる本作。その興行の詳細な分析については次回に譲るが、現在のペースでいくと当分の間(2年目の「『スター・ウォーズ』vs『妖怪ウォッチ』対決」が始まる12月17日まで)は1位を独走しそうな勢い。『君の名は。』の公開は2017年に入ってもしばらく続くとのことだが、この先また1位に返り咲くのは至難の技だ。

 そんな『君の名は。』の先週末の成績は、土日2日間で動員19万1000人、興収2億5400万円。前週とほぼ同じで、完全に安定期に入っている。累計興収ではすでに190億を超え、日本国内の歴代興行収入6位(日本映画では3位)の『もののけ姫』の193億円、5位(日本映画では2位)の『ハウルの動く城』の196億円を超えるのは時間の問題。その上の4位となると『ハリー・ポッターと賢者の石』(ここでも立ちはだかるのは「ハリー・ポッター」!)の203億になるわけが、こちらもRADWIMPSの出演が決定した年末のNHK紅白歌合戦の効果なども見込めるため、冬休み中には超えてくるはずだ。

 つまり、『君の名は。』の累計興収は、最終的に日本の歴代興行収入4位(日本映画で2位)というところにどうやら落ち着きそうである。ちなみにその上に君臨するのは、『千と千尋の神隠し』の308億、『タイタニック』の262億、『アナと雪の女王』の254.8億の3本。15年以上前の公開作品である『千と千尋の神隠し』と『タイタニック』に関してはあまり覚えてないという読者もいると思うが、まだ記憶に新しい2年前の『アナと雪の女王』の興収には改めて驚かずにはいられない。なにしろ、これだけ大騒ぎとなった『君の名は。』を、現段階で60億以上も上回っているのだ。冬休みという年間の興行において最も稼げる時期を控えているとはいえ、『君の名は。』がここから60億以上を積み上げるのはさすがに難しいだろう。

     
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