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『シチズンフォー スノーデンの暴露』と『FAKE』から、“ドキュメンタリー”と“報道”の違いを考察

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 もしかしたら本作は、多くの人にこういうイメージを抱かれているかもしれない。

 ニュース映像をつぎはぎし、多様で客観的な視点でスノーデン事件とは何だったのかを検証、スノーデンはニュース映像のフッテージの中だけに登場し、通信やプライバシーの専門家や関係者のインタビューもふんだんに織り交ぜて……というような。

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 かくいう筆者もそういうイメージを持っていのだが、実際は全く違っていた。そんな冷静ぶった視線を持った作品ではなく、スリルと興奮に満ち溢れたものだった。

 カメラを持った監督自身がスノーデン事件の当事者である本作は、スノーデン事件をおそらく最も早く、最も身近に撮影した記録映像である。本作が提示する情報は、スノーデン事件を多少知っているものなら既知のものばかりで、スノーデン事件を全く知らなくてもウィキペディアにアクセスすれば簡単に得られてしまう情報が並ぶ。情報としては新しいものは特になく、ニュースや報道として本作を見れば高い価値はない。しかし、その代わりに歴史的瞬間にカメラを通じて立ち会える興奮と感動があり、ドキュメンタリー映画という表現において、一級品の作品だと言える。

スノーデン事件の「共犯者」ローラ・ポイトラス

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 本作の監督ローラ・ポイトラスは、イラク戦争やグアンタナモ収容所に関するドキュメンタリーを制作したことで米国当局に監視されていた人物で、スノーデンがNSAの膨大な通信データの収集の実態を暴露するためにコンタクトした人物だ。ポイトラス監督はジャーナリストのグレン・グリーンウォルドとともに香港のホテルでスノーデンと対面する。その香港のホテルで、スノーデンがNSAの情報収集の実態を告発したわけだが、その一部始終がカメラに収められている。本作はその記録映像を中核に据えた、100%当事者による記録だ。監督自身もまた事件の中心にいて、それ故に本人も重要な登場人物の一人になっている。

 ポイトラス監督はドイツの「デア・シュピーゲル」誌などと組んで、メルケル首相の携帯電話を盗聴していた件などの報道そのものにも関わっている。どんな報道も主観を消し切ることはできない。だが、できるだけ客観的な立ち位置を確保しなければ事実を見誤りやすくもなる。監督は本事件の報道に関わりながらも、事件の震源地にいる自分の立ち位置を鑑み、映画には主観的な声が必要だと判断したと、NY映画祭でのインタビューで答えている。その主観性は「報道」としての価値を損わせるものかもしれない。だが主観性を持って当事者として向き合わなければこの緊迫した映像は撮れなかったであろう。本作がニュースではなく、映画として提示された理由はここにある。真実を告発する者とそれを公表する者を撮りながら、ジャーナリズムとは別の視点を提供しているのだ。

      

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