『ドロメ』を“新感覚ホラー”と呼ぶべき3つの理由 気鋭の監督が仕掛けた「手法」に迫る

『ドロメ』が“新感覚ホラー”と呼べる理由

dorome-sub2-th-th.png

 

 また、内藤監督の初期作、たとえば『牛乳王子』の嘔吐、『先生を流産させる会』の胎児といった作家の原初的モチーフが炸裂しているのも、ファンには嬉しいはずだ。

 男子と女子の淡い恋と友情、幽霊とクリーチャー、アイドルダンスとメイド服、ドラクエから戦隊ヒーローもの……と、萌えに笑いに恐怖にグロ、様々な要素が ふんだんに盛り込まれた本作。先ほどギリギリのラインで成立していると言ったのはそういうことだが、そのおかげで2篇観る価値をもっている。ちなみに私的には、愛らしい化け物“ドロメ”がよりフューチャーされる「女子篇」からの鑑賞がオススメだ。

『ドロメ』

■嶋田 一
87年生まれ。ライター、精力的に執筆活動中。

■公開情報
『ドロメ【男子篇】【女子篇】』
3月26日(土)よりシネマート新宿にて2作品同時ロードショー
監督:内藤瑛亮
脚本:内藤瑛亮、松久育紀
主演:小関裕太、森川葵
出演:中山龍也、三浦透子、大和田健介、遊馬萌弥、岡山天音、比嘉梨乃、菊池明明、長宗我部陽子、木下美咲、東根作寿英ほか
製作:「ドロメ」製作委員会(日本出版販売、TCエンタテインメント、TBSサービス、是空、レスパスビジョン)
2016年/カラー/5.1ch/ビスタ/【男子篇】92分/【女子篇】98分
配給:日本出版販売
宣伝:太秦
(c)2016「ドロメ」製作委員会
公式サイト:dorome-movie.com

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「作品評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる