日本国内興収100億突破を機に、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』世界興行を総括する

『スター・ウォーズ』の世界興行を総括
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 前週に引き続き『信長協奏曲』が先週末も1位。驚くのは前週動員比。全国324スクリーンで土日2日間の動員46万1321人(興収6億412万2100円)という数字は、公開週だった前週の99%。まったく落ちていない!

 2位につけたのは、テレビドラマ放送開始から30年、劇場版としては約10年ぶり7作目となる『さらば あぶない刑事』。全国252スクリーンで公開され、土日2日間で動員21万7273人、興収2億9119万1700円。劇場版1作目の累計興収26億はさすがに遠い目標だが、興収10億以下となった4作目以降の流れを断ち切って、久々に興収10億以上が見込めるスマッシュヒットとなった。ちなみに、本作のポスターのアート・ディレクションを手がけているのはあの佐野研二郎氏である。

 3位の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は前週動員比96%と、前週に首位から陥落したものの安定期に突入。累計興収も無事(?)100億円を突破。洋画/邦画を含めて国内で興収100億円を超えたのは『アナと雪の女王』以来2年ぶり、実写作品としては『アリス・イン・ワンダーランド』以来約6年ぶりということになるが、累計興収255億の前者はもちろんのこと、118億の後者を超えられるかも微妙な趨勢だ。まだしばらくは上位に残り続けるだろうが、この段階で『フォースの覚醒』の日本での興行を総括させてもらうなら、超特大ヒットにはなったものの、日本中の老若男女を巻き込んでの現象化には及ばなかった、といったところ。

 日本国外に目を向けると、より興味深い事実が浮き上がってくる。今回の『フォースの覚醒』で注目されたのは、シリーズ初となった中国での興行。過去の6作品に海賊版DVD以外では馴染みのないはずの中国の観客次第では、世界興収歴代1位も狙えると見られていた。

 1月9日、世界同時公開となった他国から約3週間遅れて中国で公開となった『フォースの覚醒』は中国でのオープニング2日間の新記録となる5300万ドルを達成。世界興収歴代1位奪取に弾みがついたと思われたが、その頃には世界各国で記録的なロケットスタートを切っていた興行が息切れ気味に。結局、中国でもスタートダッシュの勢いは続かず、1月末時点での『フォースの覚醒』の世界興収は約19億3860万ドル(約2380億円)。歴代1位『アバター』の約27億8800万ドルには遠く及ばず、歴代2位『タイタニック』の約21億8680万ドルにも届きそうにない。『アバター』や『タイタニック』の時代には中国での興行がなかったことを考えると、この水準でこういう言葉をつかうのは適当ではないかもしれないが“やや物足りない数字”と言ってもいいだろう(世界興収はいずれもBox Office Mojo調べ)。

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