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不遇の作家・佐藤泰志『オーバー・フェンス』を山下敦弘監督はどう描くのか?

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odagiri1th_.jpgオダギリ・ジョー

 山下敦弘監督の映画『オーバー・フェンス』の主要キャストが発表された。オダギリ ジョー、蒼井優、松田翔太……現在の日本映画を代表する豪華キャストが名を連ねることになった本作。しかし、ここで改めて注目しておきたいのは、この『オーバー・フェンス』が、『海炭市叙景』(2010年)、『そこのみにて光輝く』(2014年)と続いてきた、不遇の作家・佐藤泰志の小説を原作とする「函館3部作」の最後を飾る作品であるということだ。

 村上春樹、中上健次といった同時代の作家たちと並び称されながら、大きな文学賞を受賞することもなく、商業的な成功を収めることもなく、失意のまま41歳で自ら命を絶った不遇の作家・佐藤泰志。その死後、長らく絶版となり、忘れられた存在となった彼の小説に、再び光が当てられるきっかけとなったのは、2007年に出版された『佐藤泰志作品集』だった。以降、再評価の機運が高まり、2010年には、彼が遺した未完の短編集『海炭市叙景』が、熊切和嘉監督によって映画化。そして、2014年には佐藤の『そこのみにて光輝く』が、呉美保監督によって映画化される。こうして作家・佐藤泰志の存在は、再び世に知られるようになったのだ。

 映画化された順番とは逆に、執筆順としては、今回の「函館3部作」のなかで最も若い時期に書かれた小説である『オーバー・フェンス』。そのあらすじは、以下のようなものとなっている。

 家庭をかえりみなかった男・白岩(オダギリ ジョー)は、妻に見限られ東京から故郷の函館に戻りつつも実家には顔を出さず、職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校の実習と学科対抗ソフトボール大会の練習を惰性で続けていた彼は、仲間の代島(松田翔太)に連れられて入ったキャバクラで、鳥になりたいと願う不思議なホステス・聡(蒼井優)に出会うのだが……。

      

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