卒業発表の乃木坂46 生駒里奈が“グループの顔”であり続けた理由 香月孝史が功績から考察

 乃木坂46の生駒里奈が、グループからの卒業を発表した。

 生駒は発表と同時に自身のブログを更新。卒業の理由について、「同学年の方は新社会人として新たな挑戦をする年」である22歳の自分に対し「大人として一人で生きていくためにはどうしたらいいのか、具体的に自分のこれからを考えた時に私はこのままでは足りない」と思うようになり、「どこかまたチャレンジ出来るタイミングはと考えた時、ここだと自然と考える様に」なった結果、今回のタイミングでの発表となったことを綴っている。

乃木坂46『いつかできるから今日できる』(Type D)

 卒業のタイミングについては、次回シングル(リリース時期未定)としているが、詳細は未定だ。1期生メンバーの中心人物として、デビュー作『ぐるぐるカーテン』から5thシングル『君の名は希望』まで連続で表題曲のセンターに立ち、メディアでも積極的に“乃木坂46の顔”として活動してきた生駒は、グループにとってどんな存在だったか。『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であり、乃木坂46に詳しいライターの香月孝史氏は、彼女の功績について下記のように語る。

「生駒さんは、乃木坂46が今のようなブランドを築く以前、方向性を模索している時期から乃木坂46の象徴を背負い、現在のグループに通ずる基調を作ったメンバーです。そのグループのカラーが結実したのが5thシングル表題曲『君の名は希望』でした。それ以降、選抜メンバーの中ではセンター以外のポジションに立つことが多かったですが、常にグループのシンボル的な存在感を帯びていました。ポジションが流動的になったことでかえって、彼女はどの立ち位置にいても乃木坂46の象徴なのだということが強調されているようでさえありました」

 また、生駒が乃木坂46のシンボルとして活躍する要因について、同氏は「グループを俯瞰する力」の高さを挙げる。

「生駒さんが乃木坂46の顔として機能している要因のひとつは、“グループを俯瞰して言語化できる”能力の高さにあると思います。2015年にAKB48との兼任を経験したことでさらにその視野は広がったのかもしれませんが、アイドルというジャンルが社会の中でポジティブとネガティブ双方の反応を引き起こす、両義的な存在であることにも自覚的な方であるようにみえます。メディアのスターあるいはタレントとしての価値は高まっていても、一部の人からは軽んじられるジャンルでもあるということを踏まえながら、冷静に慎重に発信する方という印象です」

 パフォーマンス面については、舞台や楽曲における動きにフォーカスを当てて語ってくれた。

「非常に身体の動きが映えるイメージの強いメンバーです。昨年『第59回 輝く!日本レコード大賞』を受賞した『インフルエンサー』も、生駒さんが後ろにいたことで、さらに躍動感のある動きになっていたようにみえます。昨年の舞台『あさひなぐ』でも、自身の身体を活かしてポテンシャルを発揮していたと思います」

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