ももいろクローバーZ 有安杏果、幕張メッセ公演で卒業へ グループ支えた功績を振り返る

 ももいろクローバーZ(ももクロ)の有安杏果が1月15日、グループを卒業することを公式サイトと自身のブログで発表した。

ももいろクローバーZ『BLAST!』(通常盤)

 発表当日、ももクロは『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)に生出演し、有安自ら卒業について語った。有安は今回の発表について「ずっと前から考えていたので正直やっと言えてすっきりしたっていうのが今の気持ちです。芸能界22年間ずっとやらせていただいて、一度距離を置いてふつうの女の子の生活を送ってみたいなと思ったのが理由ですね」とコメントし、百田夏菜子も「(卒業することは)知ってました。みんなに伝えてくれていたので。年が明ける前から知ってました」とグループ内での状況を説明。今後の予定について問われると、有安は「なにも決めてないからこそ、すごく自由でいろんな道が開けていて。まずは一人の女性として家事とかちゃんともう一度しっかり勉強したいです」と宣言した。最後に「これからも、ももいろクローバーZは頑張っていくんだよね」と宮根誠司に尋ねられたメンバーたちは、気持ちを切り替えるように「頑張ります! 応援してください! ライブで待ってます!」と元気よく返答した。

 ももいろクローバーZは、ももいろクローバーとして2008年5月に結成、有安は2009年にグループに加入した。2011年からは百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れにの5人でももいろクローバーZとして活動し、2018年の5月で結成10周年を迎える。有安の卒業発表はその矢先の出来事ということもあり、ファンの衝撃や悲しみは大きかった。長年グループを見守ってきたアイドルウォッチャーのガリバー氏に話を聞くと、「ももクロは、5人体制になってから加速度的に上り調子でアイドル界の上位を走ってきました。彼女たちが今の5人でなくなるという発想はなかったので、とても驚いています。ももクロは、2010年来のアイドル好きであれば誰もが一度は通ってきたと言っても過言ではないグループ。同時期から活動する他グループがメンバーチェンジや解散をしていく中、変わらずにトップアイドルとして活動を続けてきた貴重な存在です」と悲痛な思いを語った。

 有安は幼少期から芸能活動を行っており、LDHの育成所・EXPGでダンスの腕を磨いていた時期もある。そのため、ももクロのパフォーマンス面を支える要としてグループに貢献してきたとガリバー氏は続ける。

「歌と踊りのスキルの高い有安さんが加入して以降、ももクロには力強く歌い上げる、ボーカルで魅せるような楽曲も増えていきました。また、彼女に影響されるように、他の4人のメンバーもスキルアップしていきました。ライブパフォーマンスを語る上では欠かせないメンバーで、きちんと歌えて踊れるという要素をももクロに加えたのが有安さん。一番新しいメンバーではあるけれど、グループのステージにおいての方向性にもっとも影響を与えた存在であるとも言えます」

 ももクロの2017年は、有安の出身地・埼玉で行われた『ももクロ春の一大事2017 in 富士見市 ~笑顔のチカラ つなげるオモイ~』や日本人の女性グループとして初出演となった『MTV Unplugged』、有安ソロで東名阪ツアー『ココロノセンリツ ~Feel a heartbeat~ Vol.1』、日本武道館で単独公演『ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5』を開催するなど、振り返れば有安の卒業を予兆するような活動が続いていた。

「以前から卒業することが決まっていたのであれば、有安さんに対するリスペクトがこめられた、歌を頑張ってきた有安さんの思い出を残すような一年だったのではないかと、振り返ると思います。ソロライブではパワフルな歌唱力だけではない、聞く人の心をロックする歌声を披露してくれました。その歌声は1stアルバム『ココロノオト』としてかたちとしても残されています。さらに年越しのライブイベント『ゆく桃くる桃 ~第1回 ももいろ歌合戦~』の歌合戦でももクロが1曲だけ披露した曲が『何時だって挑戦者』だったのですが、ライブを盛り上げるような曲でもなく、その時はなぜこの曲を選んだのかわかりませんでした。しかし、どんな困難な状況でも前向きに歩んでいこう、と歌うあの曲をあの日に歌ったということは、今思えばとても感慨深いです。ももクロはこれからが正念場だと思いますが、活動を続けていくということでひとまず安心しています。とてもさみしいですが、新たな進を歩んでいく決断をした有安さんにはとにかく『お疲れ様』と言いたいです」(同氏)

 卒業と同日に詳細が発表された、1月21日幕張メッセ 国際展示場 9~11ホールにて行われる『ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~』が有安のももクロとしての最後のステージとなる。グループに大きな功績をもたらした有安を盛大に送り出し、ももいろクローバーZもタイトルどおり、新たな門出を迎える日となるだろう。

(文=編集部)

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