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『Dog Days Tour 2017』さいたまスーパーアリーナ公演レポート

MAN WITH A MISSIONはシーンで“ニュートラルな存在”に? 最新ツアーで確認したバンドの現在地

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「人生ノ台本ミタイナモノヲ厚クスルモノガアルトスレバ、ソレハ人トノ出会イダト思イマス。数アルバンドノ中デワタシタチヲ見ツケテクレテアリガトウゴザイマス。一期一会トイウ素晴ラシイ(日本語)ガアリマスガ、我々ハ人間ジャナイノデ、来世デモアナタタチノコトヲ見テイマス」

 本編ラスト前にジャン・ケン・ジョニー(Gt、Vo、Raps)が満場のアリーナに向かって放った一言の説得力に打たれてしまった。徹底的に音楽性とライブパフォーマンスの質を上げ、フランクなキャラクターも相まって、オルタナティヴ、ラップロック、ニューメタルといったジャンルをさほど意識させることなく、いい意味でただただMAN WITH A MISSION(以下、MWAM)という愛されるバンドとして進化してきた事実が、彼の真摯な言葉の強度を上げていたのだ。

 ライブ本編の前に触れたいのがそのファン層の厚さ。未就学児童連れの若いファミリーから50代と思しき夫婦まで、主たる層はライブキッズといえど、この幅広さは他のラウド/エモ系バンドでは見受けられない。またライブ以外にも多彩なグッズ販売、X-LARGEやFenderなどメーカーブース、「九州豪雨災害ボランティア支援大作戦」など復興ブース、キッズパークから、トーキョー・タナカ(Vo)のお料理企画から飛び出した、次世代福島白湯ラーメン(彼が寸胴をかき混ぜる写真もご愛嬌)と、軽くフェス並のお楽しみも満載。遠征組を含め、週末をさいたまスーパーアリーナで過ごすための創意工夫は、このキャパでは相当高いレベルだ。

 11月10日からスタートした今回の『Dog Days Tour 2017』には、BUZZ THE BEARS、Joy Opposites、ヤバイTシャツ屋さん、Dizzy Sunfist、そしてファイナルの沖縄にはAmelieと、様々なベクトルのオープニングゲストを迎えたMWAM。さいたまスーパーアリーナ2DAYSには、UKのベッドフォード出身のDon Brocoが登場した。彼らはONE OK ROCKの今年のジャパンツアーにもゲスト出演しており、ポップパンクからオルタナティブ、ポスト・ハードコア層には浸透しつつあるバンドだ。それでもこの日が初見のオーディエンスも多いだろう中、ゲストアクトへも惜しみないリアクションを見せ、バンドは何度も「マジですごい! ありがとう!」と感謝の言葉を繰り返す。

 ゲストアクトのパフォーマンスも左右のビッグビジョンに映し出され、メンバーの表情や演奏がスタンドにも伝わる。EUツアーも増えてきた近年のMWAM。海外のツアーでは常識であるゲストアクトを迎えるスタイルを定着させ、日本のファンにもレコメンドする。現状では容易にそのことが海外のロックを聴く成果に繋がるか? と言われれば難しいところだが、まずはバンド同士が始めなければ何も変わらない。この日のアンコール前には来年、Don BrocoとのUKツアー開催がアナウンスされ、歓喜の声が上がったのは事実だ。時間をかけてでも今ある壁を壊したい、そんな意志が伝わった。

 さて、肝心のMWAMのステージは冒頭から満腹になるほどの演出、選曲で、このバンドには出し惜しみというリミッターは皆無なんだなと、いい意味で笑ってしまった。というのも曲は彼らがお茶の間レベルでブレイクを果たした「Emotions」。しかも黙示録的なナレーションと同時に背景のスクリーンが開いたかと思えば、音源以上に荘厳なカタルシスを作り上げる11人編成のストリングス隊(吉田宇宙ストリングス)がお目見えし、メンバーのアップや演奏を捉えるビジョンはなんと11面。前方ファンはさっそくサークルモッシュで応戦し、後方では誰もが楽しげにジャンプし、手を挙げている。スタンド席は11面のビジョンで今起こっていることから取り残されない。しかもステージ上を囲むクラシカルな額縁状のセット同様、ビジョンも額縁状のビジュアルで演出が施されるという手の込みようだ。

 また楽曲の多様性も見ていて飽きない。中野雅之(BOOM BOOM SATELITES)プロデュースでデジタリックなダンスロックを表現した「Hey Now」や、同じく中野プロデュースの「Dog Days」でのテクノ的なピークの作り方、エフェクティブなジョニーのアプローチの多彩さ、同期を用いた生身を超える異次元感をライブでミックスする手腕も痛快。中野のDNAと言える世界観をモノにできるのは、MWAMが単に、ラウド/ミクスチャーにありがちなマッチョなバンドではないことを証明するものではないだろうか。

 一方で「懐カシイ曲カラヤラセテイタダキマス」と披露された「HASTA LA VISTA」は、それでも当時の音源とは比べ物にならないアップデートされたラウド/ミクスチャーにリビルドされており、曲の途中でカミカゼ・ボーイ(Ba)がフロアの中央に移動、脚立程度の足場でベースソロを展開。ファンがもみくちゃになって集まる中、ファストなランニングベースをプレイした。

      

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