アルバム『友ありて・・』インタビュー
BOYS AND MENが考える、グループの“今”「引き出しは増えたけど、軸にあるものは変わらない」
2010年に名古屋を拠点に東海エリアを中心とした活動をスタートし、突き抜けたエンタメスピリットを武器に多方面に活動の場を広げてきたBOYS AND MEN(以下、ボイメン)。2017年1月に日本武道館公演を成功させるなどグループとしての活躍はもちろん、メンバーそれぞれが映画、ドラマ、バラエティ番組などへも進出し、全国区でその名を知られる存在になった。
12月20日にリリースされるニューアルバム『友ありて・・』は、作詞・阿久悠、作曲・都倉俊一という歌謡曲の黄金コンビによるタイトル曲や同コンビによる不朽の名曲「UFO」(ピンク・レディー)のカバーなど昭和歌謡テイストの曲をはじめ、作詞・いしわたり淳治、作曲・前山田健一(ヒャダイン)による最新ヒット曲「帆を上げろ!」などまで、メンバー曰く「バラエティパックのような」多彩な魅力を持つ一枚になっている。結成から8年経った今、改めて考えるボイメンの楽曲やパフォーマンスについて、そして現在の彼らが目指すところについても聞いてみた。【取材メンバー:田中俊介、本田剛文、平松賢人、勇翔/インタビュー最後にチェキプレゼント案内あり】(古知屋ジュン)
かなり思い入れが強いアルバム
――『友ありて・・』は、和のテイストを取りいれた前作アルバム『威風堂々〜B.M.C.A.〜』とは、また毛色の違ったアルバムですね。
田中俊介(以下、田中):『威風堂々』のときもそうではあったんですけども、今回は制作のタイミングからみんなで意見を交換して、スタッフさんに「僕たちはこういう歌を歌いたいんです」というのを遠慮せずに言って作り上げたので、かなり思い入れが強いアルバムになってます。今のボイメンは幅広い世代の方から応援してもらっていて、僕らはそれがすごいうれしいんですけど、ちびっこからおじいちゃんおばあちゃんまでライブに見えるんです。そういった、いろんな世代のみなさんに響きやすい一枚にできたのかなと。表題曲の「友ありて・・」のような昭和の香りのする楽曲だったり、今年の夏にリリースした「帆を上げろ!」のような、現代風の音数の本当に多い楽曲だったり、いろんな方面から攻めていこうという曲並びでもあって、そこが今までと違うのかもしれないですね。
本田剛文(以下、本田):“熱いものを見せて聴かせる”という僕たちの根本はブレてないんですけど、これまでそういうイメージの楽曲が多かったこともあって、今回はこういう並びになってます。
――いろんなタイプの曲がある中でも、昭和歌謡テイストのものが多い印象です。「UFO」は上は60~70代から、今はカバー曲がCMなどでも使われてますから小さい子までが知ってる曲で。あれをカバーするのって意外と勇気がいるのかなと思ったんですよ。先日YouTubeで公開されたMVは、相当パンチがありましたね。最初に抱く疑問として、辻本(達規)さんの演じているメインキャラクターの赤いドレスの女性はどういう設定なんだろうという。
本田:年代でいくと(若いホステスを演じる)僕らよりは上、(田中が演じる)ママよりは下なんじゃないかと。
勇翔:ホステスとも毛色が違うんですよね。
平松賢人(以下、平松):確かにメイクして出てきたとき「モチーフなんなんだろう?」って思っちゃいましたよ。「こいつこのあと何やらかすんだろう?」っていう不穏な感じもあるし。
田中:まず感情がわかんないっていうか(笑)。
――今YouTubeで公開されているのはショートバージョンで途中までなんですけど、撮影の裏話的なものはあったりしますか?
田中:ラストがどうなるかはぜひ特典DVDで確認してもらいたいんですけど、今言える裏話としては、このMV、ラストから撮っていってるんですよ。それを想像してもらうと、わりと面白いんじゃないかと思いますね。最初に辻本、次に水野(勝)が一緒に踊りだすんですけど、みんながわいわいやってる間、僕はずっとカウンターの中で一人芝居してました(笑)。むだに電話してみたり、ポッキー食べてみたりとか。
――今目の前にいるのは短髪の田中さんなんですけど、すごく妖艶なんですよね、MVでの俊ママが。
平松:またねえ、いい芝居するんです、しゅんくん(田中)が。ガチすぎるから、芝居しながら何回か笑っちゃいました。
田中:でも、あれがボイメンの真骨頂といってもいいぐらい、僕たちは本当に楽しんでやってましたね。
本田:できあがってみんなで見たときに「やっぱボイメンってこれだよな!」って。
勇翔:だって僕ら、真剣に遊んでますからね。
――なるほど。社会人になってから学生時代を振り返るような「友ありて・・」のMVも続けて公開されましたが。
平松:僕ら普段はやんちゃな学ランを着てるので、ああいうちゃんとした学ランに袖を通すというのがすごい新鮮でしたね。みんなで衣装を着つつ、「意外とまだ似合うな」だの「老けたね~」だの、いろいろ話してましたね。MV撮りながらも「ボイメンを始めてから8年経って、みんな大人になったな……」って、これまでを振り返ってみたり。僕は15歳、中学3年で入ったんですけど、それがもう23歳になりますからね。
本田:しゅんくん以外はみんな10代で入っているので。
田中:僕は20歳のときかな。なので賢人とかは特に、子供から大人になっていく流れを見てるんですよね。親じゃないですけど、成長を見守ってる感じなんですよ(笑)。