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『不思議の国の武道館と大きな稲穂の妖精たち 〜キャッツの日〜』

レキシは“笑撃の歴史”を刻んできたーーデビュー10周年武道館に見た進化の軌跡

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 2007年に袴姿にアフロの異様な出で立ちでシーンに登場して以来、「ネタなの? 本気なの?」と常にリスナーを煙に巻きながら、それでも一度聞いたら忘れられないインパクトを放ってきたレキシが、なんとデビュー10周年である。2014年に初めて立った武道館のステージも早3回目。しかも今年は2DAYSと、アニバーサリーを迎えてなお破竹の勢いは止まらない。夏から全国を回った『不思議の国のレキシと稲穂の妖精たち』ツアーの東京公演の最終日、『不思議の国の武道館と大きな稲穂の妖精たち 〜キャッツの日〜』をレポートする。

 客電が落ちるとおもむろにスクリーンに映し出されたのは恒例となったオープニングVTR。最新シングル「KATOKU」仕様のレキシが、父(いとうせいこう)と母(みうらじゅん)から家督を譲られ、ある箱を受け取る。中身が気になって仕方がない彼は、うっかり箱を開けてしまい……というところで、ステージ上に設置されていた巨大なオルゴールのフタが開きレキシが登場! 一瞬にして大歓声に包まれた武道館に「KATOKU」のイントロが響き渡る。何度聴いてもこっ恥ずかしくなるほどの80sサウンドを意気揚々と鳴らしながら、拳を突き上げる観客を「もっとダサく!」と煽る煽る。お約束のヅラ飛ばしで1曲目を終えた後は、「年貢を納めて行こうか!」と「年貢 for you」に突入。奇しくもこの日は、同曲でコラボした旗本ひろしこと秦基博の誕生日ということで、間奏部分では秦の名曲「Girl」に寄り道。この、突然他人の楽曲を演奏し始めるスリリングさを目の当たりにすると、「ああ、レキシのライブにきたな」と不思議な高揚感が高まってくる。シングル曲、『レシキ』のリード曲と早くも人気者を片付けた勢いのまま、激しいダンスロック「KMTR645」へとなだれこむ。開始とともに大量のイルカ(の浮き輪)がアリーナ席に投入され、ファンたちによってポンポンと弄ばれる様は、さながら大海原を泳いでいるかのよう。ここでも間奏から「タッチ」(岩崎良美)へ寄り道し歓声が上がる。

 「どうも、ケビン・コスナーです!」というおなじみの自己紹介の後、会場の盛り上がりに圧倒されたか「今日はやばい予感がする……」とつぶやいたレキシが、続いて演奏したのは「妹子の馬 LOVE 」。長尺の割に曲数が少ないという不満を打開するために、「妹子なぅ」「やぶさめの馬」「LOVE弁慶」の3曲をメドレー形式で演奏すると前振りしていたものの、実際始まってみるとメドレーどころか完全にミックス! テンポやキーを巧みに調整しながら曲の間を自在に行き来し、さらに安室奈美恵の「Don’t wanna cry」や星野源「恋」も取り混ぜるというカオスぶりに会場も大興奮。無茶苦茶に見えてかなりの高等テクニックを涼しい顔でこなしているのは、ギターの健介さん格さん(奥田健介 from NONA REEVES)、ピアノ&コーラスの元気出せ!遣唐使(渡和久 from 風味堂)、ベースの御恩と奉公と正人(鈴木正人 from LITTLE CREATURES)、ドラムの蹴鞠Chang (玉田豊夢)ら、いつものバンドメンバーたちだ。レキシの荒唐無稽なライブをしっかりと支えている彼らのテクニカルさには本当に毎回頭が下がる。


 紫のライトが彩る中、独特のグルーブ感が心地よい「SHIKIBU」で会場を躍らせると、おもむろにステージを去るメンバーと入れ替わりで登場したのはニセレキシことU-zhaan。共演曲「Takeda’」は、レキシのラップにタブラで即興的に伴奏をつけたレキシ史上最も謎な曲。「正解がわからない」「一度も成功したことない」と不安がるU-zhaanそっちのけで、暴走するレキシとのやりとりはこの日のハイライトのひとつでもあった。真の意味でのライブ感あるパフォーマンスで会場を沸かせた後は、U-zhaanを交えて「古墳へGO!」。レキシらしいソウルフルなナンバーにU-zhaanのタブラがリズミカルに彩りを添えた。

 森の石松さんこと松たか子とのデュエット曲「最後の将軍」をエモーショナルに歌い上げたかと思えば、ひたすらに元気出せ!遣唐使をいじり倒しながらの「古今 to 新古今」、そして「墾田永年私財法」で再び真面目にバラードを歌う、この落差がすごい。続く「憲法セブンティーン」ではメンバー個々のソロばかりか、レキシ自身も持ち前のド派手なキーボードプレイで観客を魅了。「ラブストーリーは突然に」に何度も引っ張られながらの「刀狩りは突然に」を終えると、「この後、グダグダのアンコールが待ってます」と自虐をかましながらの本編ラスト「きらきら武士」へ。途中、「この10周年は私一人のものじゃない、あなたのおかげでもあるのです!」とファンへの感謝を伝える場面も。ミラーボールがきらめく中、1万人の武士コールが大団円を演出した。

      

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