>  >  > オザケン×セカオワ コラボの必然性

小沢健二とSEKAI NO OWARI、コラボの必然性 『フクロウの声が聞こえる』発売までの流れを読む

関連タグ
小沢健二
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 小沢健二、2017年の音楽シーンに復活ーーその出来事をさらに深く印象づけることとなったのが、9月6日にリリースされたSEKAI NO OWARIとのコラボレーションシングル『フクロウの声が聞こえる』である。

 まず、本リリースに至るまでの一連の流れを改めて整理したい。今年の2月20日、小沢の復活第1弾シングル『流動体について』が2日後にリリースされることが突如発表され、多くの音楽ファンを驚かせた。同週24日には、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)へ20年ぶりに出演。放送では、今年の『FUJI ROCK FESTIVAL』出演をフライング告知するというサプライズまで飛び出し、音楽シーンをさらに大きく賑わせた。そして迎えた7月29日のフジロック。ここまでの流れを踏まえると、今後の活動についての知らせを期待していた参加者は少なくないだろう。もちろん小沢はその期待を上回るかたちで、またもやサプライズ告知を敢行した。会場物販のオリジナルステッカーにて次作が9月6日にリリースされることを発表したのだ。その曲こそが、WHITE STAGEでも披露された「フクロウの声が聞こえる」である。

 それから8月中は沈黙の期間が続き、9月1日、新たなアーティスト写真と漫画家・松本大洋によるフクロウのジャケットイラストが解禁に。渋谷マルイ壁面にはそのイラストと少年が描かれた巨大広告が現れ、今作がゲストを迎えた楽曲であることが初めて告げられた。小沢が他アーティストとコラボレーションを行うのは、スチャダラパーとの「今夜はブギー・バック」以来23年ぶりのこと。ネット上では連日のように相手が誰かを予想する声が飛び交う中、ついに9月4日、SEKAI NO OWARIとのコラボレーションが明らかになったのだ。

 この発表に対する驚きの声が多数を占める一方、前作『流動体について』のレコーディングで小沢がNakajin(SEKAI NO OWARI)のギターを借りていたこと(作品クレジットにも記されていた)、小沢のライブにメンバーたちが足を運んでいたことなどを記憶していた人々にとっては、納得のいく結果だった。もっとも、そうしたストーリーを知らずとも、彼らの相性の良さは容易に想像ができる。なぜなら、小沢健二とSEKAI NO OWARIには、ファンタジー的な志向を通して理念性のあるメッセージを伝え、ポップミュージックを奏でてきたという共通点があるからだ。

 サウンド面においても、その相性の良さが存分に発揮されている。Fukase(SEKAI NO OWARI)の歌い出しから小沢へとボーカルが引き継がれ、サビでは2人の声が重なりハーモニーを生む。後半に進むにつれて引き出されていく2人の渾身の歌声もポイントだ。服部隆之によるフルオーケストラアレンジに加えて2組が楽曲アレンジを共同で行っており、様々な楽器の音色が楽曲にドラマチックな印象を与えている。

 では、そもそもこのコラボレーションは、どのようにして実現したのか? 時間を戻すと、前作「流動体について」と今回の「フクロウの声が聞こえる」は、アレンジこそ異なるものの、2016年に開催された小沢の全国ツアー『魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ』で初披露されていた楽曲だ。『フクロウの声が聞こえる』の収録曲「シナモン(都市と家庭)」もしかりである。よって、この曲たちが生まれたのはそれより前、小沢がニューヨークで過ごしていた時期ということになる。

 小沢健二とSEKAI NO OWARIが出会ったのも、2年ほど前のニューヨークだった。共通の知人であるファンタジスタさくらだを介して出会った彼らは初日から意気投合。親交を深めていく中、小沢が書き進めていた曲が「フクロウの声が聞こえる」だった。楽曲を作った時期に同じ時を過ごしたSEKAI NO OWARIとのコラボレーションは、小沢にとってごく自然のことだった。メンバーたちをレコーディングに誘うと、彼らは驚きながらも快諾したという。

 YouTubeでは『小沢健二とSEKAI NO OWARI 『フクロウの声が聞こえる』短篇』と名付けられた、一種のファンタジーのような映像が公開されている。小沢とSEKAI NO OWARIのメンバーが楽曲の歌詞に登場するワードにちなんだ「ちゃんと食べること、眠ること」というフルコースを食べながら、前菜=出会い、スープ=交流の深まり、主菜=レコーディング、デザート=アートワークを中心としたトークを展開。前述のエピソードはこの映像内で語られていたものだ。映像を見ると、彼らの親密な関係性は一目瞭然。心の底から楽しみながら作品を作り上げたことが伝わってくる。あわせて、今作での2組のコラボレーションの必然性を強く感じることができる。

小沢健二とSEKAI NO OWARI 『フクロウの声が聞こえる』短篇 Ozawa Kenji & Sekai No Owari “I Hear an Owl” Short

 9月8日の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、小沢健二とSEKAI NO OWARIが出演し「フクロウの声が聞こえる」をTV初披露する。2組が今回のコラボレーションから受けた刺激や新たな発見は、それぞれの今後の活動においても重要な役割を果たすことになるだろう。

(文=編集部)

小沢健二『フクロウの声が聞こえる』

■リリース情報
『フクロウの声が聞こえる』
発売:9月6日(水)
価格:¥1,200(税抜)

<収録内容>
・フクロウの声が聞こえる
・シナモン(都市と家庭)
・フクロウの声が聞こえる instrumental
・シナモン(都市と家庭) instrumental

ユニバーサルミュージックオフィシャルHP

小沢健二オフィシャルHP

「小沢健二とSEKAI NO OWARI、コラボの必然性 『フクロウの声が聞こえる』発売までの流れを読む」のページです。>の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版