Apple Music&Amazon Primeの価格に変化 Spotifyのフリーミアムモデルに対抗へ?

音楽ストリーミングサービス、価格変化の理由は?

 世界、そして日本国内においても定額制音楽ストリーミングサービスが根付きつつある昨今。独自のプレイリストや配信楽曲の充実だけでなく、価格面でも各サービスが勝負に出ている。

 全世界に1億4000万人ものアクティブユーザーを持つSpotify。同サービスが支持されているのは、コンテンツの充実以外にフリーミアムというモデルも一つの理由だろう。Spotifyには月額980円のプレミアム会員と、シャッフル再生のみで広告が入るという制限付きながら無料でサービスを楽しめる無料会員という2パターンが存在する。このフリーミアムモデルにより、Spotifyはコアな音楽ファンのみならず手軽に音楽を楽しみたいライトなリスナーにまでリーチしていると言える。

 そんな中、Apple Musicが新たに会員向けに年間9,800円(99ドル)のプランを導入。同サービスの利用は通常月額980円(9.99ドル)であり、今回導入された年間プランの場合、10カ月分の料金で12カ月利用できる計算となる。これまでも月額1,480円で最大6人がサービスを利用できるファミリーメンバーシップや、大学などに在学中であれば月額480円で利用できる学生メンバーシップなど様々な層に向けて価格面で勝負を展開してきたApple Music。iPhoneユーザーにとってはミュージックアプリでそのまま利用できるなど、使い勝手の良いApple Musicは日本での利用者数が最も多いストリーミングサービスだ。(参考:http://ictr.co.jp/report/170208.html)今回の年間プランの導入により、日本ではもちろん世界各国でもさらにユーザー数を増やす可能性もある。

 一方、Amazon Prime会員向けにPrime Musicを展開するAmazonも、新たな動きを見せている。これまでのPrime会員は3,900円(Amazon Studentは1,900円)の年間プランのみだったが、6月8日から新たに月額400円のプランをスタート。音楽のみならず映画やドラマを視聴できるプライム・ビデオや、いち早く商品が届くお急ぎ便などを利用できて最初の30日間は無料とはいえ、年間プランを契約するのはやはり敷居が高い。しかし、月会員であれば1カ月単位で気軽にスタートすることができる。選択肢を増やすことで、さらなる会員数増加につながりそうだ。

 さらに法人企業向けに、Amazon Prime会員コードを「Amazonプライムギフトコード」として販売をスタートするという。これにより、対象企業の従業員などがAmazon Prime会員権をインセンティブギフトとして受け取ることができるようになる。Amazonでの買い物は今や当たり前の行為の一つとなりつつあるが、手軽に試すことができるようになれば、今後Amazon Primeのサービスもなくてはならないものとなっていきそうだ。Prime MusicはApple MusicやSpotifyのプレミアム会員と比べても手頃な値段であり、音楽以外のサービスも利用できるというメリットもある。こうして見ると、Prime Musicのコストパフォーマンスの良さは圧倒的だ。

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