Charaの世界観は他アーティスト作でも発揮されるーー倖田來未コラボ曲「My fun」から考える

 Charaが、3月8日に2作同時発売された倖田來未のニューアルバム収録曲「My fun」でサウンドプロデュースを手がけている。Charaが参加したのは2作のうち、『W FACE ~inside~』の方だ。倖田來未とChara、意外な組み合わせだと思うかもしれないが、実は倖田來未は2010年のカバーアルバム『ETERNITY~Love & Songs~』にてYEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」をカバーしている。YEN TOWN BANDは映画『スワロウテイル』の劇中でChara扮するグリコがボーカルを務めたグループだが、Charaも作詞に携わっており、Charaの代表曲でもある。また、Charaと倖田來未はプライベートでの親交もあるようで、TwitterでCharaが倖田來未に誕生日を祝ってもらっている動画を上げていたことからも、その仲の良さが伺える。

 90年代から現在に至るまで唯一無二の存在として多くのファンに愛され続けているChara。あたしもCharaが好きで、発売から20年が経とうとしている「ミルク」を好んで聴いているけれど、「やさしい気持ち」「タイムマシーン」「月と甘い涙」「光と私」など数えきれないほどの代表作がある。

 浮遊感のあるグロッケンやノスタルジックな電子オルガンで構築された温かみのあるトラックに、とろけるような甘く切ないメロディが乗る。ムニャムニャとしたウィスパーボイス、そしてどこかメルヘンでとても純粋なリリックがChara独自の世界観を築き上げる。

 男のあたしが言うのもなんだけれど、Charaを聴きながら目を閉じるとまるで自分が少女の頃に戻ったかのような気持ちになれる。木綿の白いワンピースを纏い、シロツメグサで作ったティアラを身に付けて原っぱで紅茶を飲みながら読書をする、そんなガーリーなイメージの世界だ。もうすっかり現実社会に揉まれて逞しくなってしまったし、そろそろ良い歳なんて言われるけど、Charaの曲を聴けばいつだって純粋で無垢だったころの自分に戻れる。それがCharaの魅力だ。だからCharaは90年代から多くの女性を魅了してきた。泉まくらも好きな曲にCharaの「恋は目を閉じて」をあげるなど、数々のアーティストに影響を与えている。

 Charaの才能は自身の楽曲だけにとどまらず、以前から複数アーティストへの楽曲提供でも発揮されてきた。内田有紀や中山美穂といった90年代を代表する歌手、豊崎愛生、さらには森田剛といった意外なアーティストの楽曲まで幅広く手がけている。特にSPEEDに提供した「KISS」や内田有紀の「もぉ いや」は歌い方などもCharaを意識していて、Charaファンも楽しめる仕上がりになっている。

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