ポーター・ロビンソン&マデオンが語る「シェルター」、そしてクリエイターとしての原点

P・ロビンソン&マデオンが語る“原点”

 ポーター・ロビンソン&マデオンが、2月21日、東京・Zepp DiverCityで一夜限りのライブ『シェルター・ライヴ・ツアー』を開催した。同公演は、互いがそれぞれの楽曲をマッシュアップして歌い、生楽器の演奏や最新の映像、照明技術を駆使した演出でパフォーマンス。約2000人のファンを沸かせた。今回、リアルサウンドでは、その来日を機にインタビュー。2月15日にリリースした日本限定アルバム『シェルター:コンプリート・エディション』から、「シェルター」でコラボすることになった経緯や互いの音楽観、影響を受けた日本の音楽、カルチャーについて語ってもらった。(編集部)

「音源を交換したりアイディアをシェアした成果が反映された」(ポーター・ロビンソン)

ーーまず、2人がコラボをすることになったきっかけは?

マデオン:元々僕らが出会ったのは10年前で、プライベートでは仲良くしながらも、アーティストとしてはお互いに別々のキャリアを歩んでいました。で、そろそろコラボしてもいいタイミングかなと思ったんです。

ポーター・ロビンソン(以下、ポーター):ヒューゴ(マデオン)と僕はそもそもDaft Punkのファンが集まるインターネットの掲示板で出会ったんだけど、そこから始まった2人の10年に渡る友情をお祝いしたいなと思ったんですよね。あと、それぞれの前アルバム(『ワールズ』『アドヴェンチャー』)に関しても、製作時から音源を交換したりアイディアをシェアしたので、『シェルター:コンプリート・エディション』はその成果が反映された作品にもなったと思うんですよ。

ポーター・ロビンソン「サッド・マシーン」(リリック・ビデオ)
マデオン「ペイ・ノー・マインド feat. パッション・ピット」

ーーA-1 Picturesとタッグを組んだ「シェルター」のMVは、日本をはじめ、世界でバズを起こした素晴らしい作品でした。

ポーター:楽曲自体はヒューゴの自宅スタジオで一緒に書いたものなんです。で、ビデオは僕が日本を7、8回訪れて、A-1さんとともに作りあげることができました。アーティストとして曲を作ったらMVを作りたくなるし、曲に合ったMVを作りたいですし。今回は僕がディレクターに入ることでいいかたちで実現しました。

ポーター・ロビンソン&マデオン「シェルター(ショート・フィルム with A-1 Pictures & Crunchyroll)

ーー共作した楽曲については、メロディやカットアップのポイントがポーターっぽい作り、ベースなどの低音周りの処理がマデオンっぽいなと感じました。

ポーター:その通りです。ヴァースとコーラスや主旋律をマデオンが、印象的なイントロのメロディ部分やカットアップを僕が主に担っていました。

マデオン:とはいえ、お互いにずっと話し合って作っていたし、ミキシングとプロダクションは2人でやったようなものなので、2人の作品という感覚ですね。

ーーアニメという表現方法は、日本だと当たり前になっていますが、2人の住んでいる国からすれば「異端なもの」でもありますよね。特にポーターはアニメが好きだということですが、アニメが持つどんな要素に心惹かれたのでしょう?

ポーター:今回のアニメーションMVは、アメリカで日本のコンテンツを配信する「Crunchyroll」が提案してくれたプロジェクトなんだ。アニメのストーリーは家族愛や親から子へ受けわたすものがテーマになっていて、曲の一部分をピックアップしたものなんだけど、それがしっかりと互いの世界観を引き立てていると思います。

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