三代目 J Soul Brothers 山下健二郎はトークでも輝く 親しみある話術を検証

 『2016FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、『MUSIC STATION SUPER LIVE 2016』(テレビ朝日系)、『第67回 NHK紅白歌合戦』(NHK総合)、『CDTVスペシャル!年越しプレミアライブ2016→2017』(TBS系)など、2016年末の音楽番組に引っ張りだこだった三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。グループ活動の他、個人活動も増えてきているものの、ボーカルの登坂広臣・今市隆二や、俳優としても活躍している岩田剛典などに注目が集まりがちだ。しかし今回は、メンバーの山下健二郎に注目したい。

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのダンサーだったという一風変わった経歴を持つ山下は、LDHが運営するダンス&ボーカルスクール「EXPG大阪校」のインストラクターとして活躍するなど、ダンススキルは折り紙つき。ライブなどでは、三代目 J Soul Brothersのパフォーマーの中でも比較的高い身長を活かしてダイナミックなダンスを見せてくれている。しかし、山下の強みはダンスだけではない。

 京都府出身ということで普段から京都弁を使用しており、トークが上手い。バラエティ番組やMCなどでも笑いを取り、パフォーマンス中の姿からは想像できないギャップが垣間見れる。その真骨頂が、毎週金曜25時〜27時放送のラジオ番組『山下健二郎のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)ではないだろうか。

 2015年4月からスタートした同番組では、モテるためにやってみたことを募集する「アナタの!1週間モテメソッド」、ダンス好きを応援する「オールナイトニッポンダンス部!」、どうしても許せない人・会話・モノ・現象を募集する「やたらと夏すきなやつ」、山下が趣味に没頭しながら質問に応える「山下ベース」、番組の最後に読む「最後の一枚」など、山下らしい肩の力が抜けたコーナーが盛り沢山だ。番組中ほとんど山下が1人で話しているのだが、2時間聴いていても飽きがこないから不思議である。内輪ノリや聞いていて疲れるようなハイテンションもない。山下のトークには、ともすれば癒やしすら感じる。「ラジオならではの力の抜け具合」を分かっている様子が秀逸なのだ。

 また、ラジオにおけるキャラクターも面白い。普段の山下は、「クールだが三枚目キャラ」という親しみやすさと高い好感度を持っている印象だが、ラジオでは嫌味ない毒舌もさらりと混ぜてくる。例えば1月6日の放送回では、外でイチャイチャするカップルに対し「正直ね、釣り合ってたら良いんですよ。どっちかがどっちかみたいなのあるじゃないですか。カップルで」と、ぼかしながらも軽く毒を吐く。臆せずにこういったスパイスを効かせ、リスナーをクスりとさせてしまうのは、山下の手腕だからこそなせる技だろう。

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