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Hi-STANDARD、突如リリースの新作はどう広まった? “フラゲ日”以降の盛り上がりを追う

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 Hi-STANDARDが実に16年ぶりとなるシングル『ANOTHER STARTING LINE』を10月5日、一切の事前告知なしでリリースした。このテキストを読んでいる人なら、彼らがどういった経緯で、どういう思いを込めてこの新作をドロップしたか重々承知だろう。ここで改めて、本作が店頭に並ぶまでの流れを説明したいと思う。

 2011年9月に横浜スタジアムで開催の『AIR JAM 2011』に向けて、2000年以来11年ぶりに活動再開を果たしたHi-STANDARD。彼らはその後、翌年9月にも東北で『AIR JAM 2012』を2日間にわたり実施し、大成功を収めた。しかし2013年は『AIR JAM 2012』でのライブ映像を収めたDVDを発売した以外は表立った活動はなく、2014年に関してはメディアへの露出含めて一切の動きはなかった(ように見えた。このへんについては後述する)。だが、2015年11〜12月には突如、BRAHMAN主催イベント『尽未来際 〜尽未来祭〜』、ハイスタの作品を海外で配給するFat Wreck Chordsの25周年記念イベント『FAT WRECKED FOR 25 YEARS』、札幌の老舗イベント『POWER STOCK 2015 in ZEPP SAPPORO』とライブを3本実施。改めてバンドとしての底力と、若手バンドには負けてられないという勢いを見せつけることとなった。

 実は彼ら、2011年の活動再開以降は定期的にスタジオに入り、リハーサルをくり返しながらバンドとして“再生”に向かっていた。メンバーの話によると、スタジオに入っても演奏することなく、ただ3人で数時間雑談を続けることもあったそうだが、それすらも10年以上もの“ハイスタとしての止まった時間”をスムーズに動かすためには必要だったのだ。そんな“バンドとして当たり前の時間”を過ごす中、当然のように新曲制作にも取り掛かり始める。しかし当初はそれすらもなかなかうまくいかず、結局本格的に制作に取り掛かったのは、昨年の3本のライブを終えてからだった。

 今回のシングル『ANOTHER STARTING LINE』に収録された新曲4曲、そして12月7日にリリースされるカバーシングル『Vintage & New, Gift Shits』収録の新録カバー2曲は都内のRed Bull Studioにて、アメリカからライアン・グリーン(アルバム『GROWING UP』および『ANGRY FIST』のプロデューサー)を招いて制作。従来の“ハイスタらしさ”を保ちつつも、この16年間に培った3人の音楽的センスや技術が存分に反映された、“今のHi-STANDARD”を高らかに宣言するかのような作品に仕上がった。

 と同時に、ハイスタの3人はこの16年ぶりの新作のリリース方法に関しても「今しかできない、面白い手段」を考える。それが、事前にリリース情報をメディアやCDショップに一切出さず、店着日となる10月4日にCDが店頭に並ぶタイミングにファンが知るーーしかも発売開始から3週間は店舗限定販売のみ、という今回の動きだった。ハイスタは過去にも限定7インチシングルを店舗限定でリリースした経験があるが、それを実施した90年代後半と2016年とでは状況が異なる。当時はインターネットも一般に普及しているとは言い難かったし、Amazonなどのネット通販も日本ではサービスインしていなかった。情報入手といえばCDショップ店頭や音楽誌がメインだった時代と、すべてがインターネットを通じて済ませてしまえる現代とでは比べようもない。しかし、横山健は「今は時代が違うから通用しないというのもわかるんですけど、これだけ便利になった世の中でどこまで面白みとして発揮できるのかなというのが狙い。僕たちの遊び心としか言えないですね」、難波章浩も「音って物質として手に取ることはできないじゃないですか。特に今回の作品は手に取ってもらいたいという思いが強いから、こういうやり方になったのかな」とその経緯を説明している。

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