寺嶋由芙の努力はついに結実したーー25歳生誕ライブで起きた“ちょっとした奇跡”について

寺嶋由芙が起こした“ちょっとした奇跡”

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 そして、ダブルアンコールの「ぜんぜん」では、寺嶋由芙はTシャツ姿で登場。I wanna be your catとゆるっふぃ〜ずが一度に登場し、「5人と7体」という寺嶋由芙のライブならではの光景となった。そして、落ちサビ前には、ゆふぃすとが500個も用意した「だいふく」が描かれた風船がフロアに投げ込まれ、ライブの最後の最後に華を添えた。幸福な混沌だ。

 この日のライブは、寺嶋由芙にとって屈指の名曲である「80デニールの恋」など、歌われていない楽曲も多かったが、それでも約2時間のステージを構成できるほど楽曲が増えたことを実感した。思い出してほしい、2013年10月22日のライブでのオリジナル曲はわずか4曲だったのだ。

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 初めて寺嶋由芙をステージで見てから早5年、彼女をめぐる環境はさまざまに変化してきた。アイドルという仕事は、必ずしも努力に比例して報われる仕事ではないと感じることもある。しかし、「自分から動かなければ何も変わらない」ということを寺嶋由芙は体現してきた。そのひとつが淡路島でのエピソードだったわけだ。

 そうした寺嶋由芙の歩みが積み重なり、結実したのが『寺嶋由芙 Solo Live 2016 〜わたしになる〜』だった。過去から離陸していく寺嶋由芙の姿に、多くの人が夢と勇気を与えられたのではないだろうか。なにより、私がそのひとりだったのだから。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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