乃木坂46 “激動”の15th選抜をどう読むべきかーー齋藤飛鳥の新センター抜擢にみる次世代育成法

 乃木坂46が6月5日放送の『乃木坂工事中』(テレビ東京系)で、15thシングルの選抜メンバーを発表した。

 今回は14thシングル『ハルジオンが咲く頃』の17人選抜から1人減り、16人選抜に変更。センターには、次世代を担う存在として期待のかかる齋藤飛鳥が初めて選ばれた。ほかにも、中元日芽香、北野日奈子が久しぶりの選抜復帰を果たし、松村沙友理と桜井玲香が“十福神(2列目までのフロントメンバー)”に戻るなど、大きな変化が随所にみられている。

 3期生の加入や夏の全国ツアーの開催を目前にした今回の選抜メンバーは、どのような意味を持つのだろうか。リアルサウンドで乃木坂46系の記事を多数執筆し、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者であるライターの香月孝史氏は「前作に大きく動けなかった分、今回の変化があったのでは」と語る。

「年始に乃木坂46運営委員会委員長・今野義雄氏へインタビューを行った際、彼は2016年の乃木坂46について『激動の年になる』と発言していました(参考:乃木坂46運営・今野義雄氏が語る、グループの“安定”と“課題”「2016年は激動の年になる」)。しかし、14thシングルは深川麻衣さんの卒業という大きなメインテーマがあったので、変化を起こす機会にはしにくいこともあり、目立った変動はありませんでした(参考:乃木坂46の14th選抜は“激動前の安定”?)。そのような流れを経ての今作、齋藤飛鳥さんのセンター抜擢や、アンダーで輝きを放っていた中元日芽香さん・北野日奈子さんの選抜起用といった、“次の乃木坂46”を打ち出すタイミングがようやく訪れたのだと思います」

 そのうえで、齋藤飛鳥のセンター抜擢については「グループの歴史を考えればそこまで意外性のあるものでもない」と続ける。

「齋藤飛鳥さんは選抜・アンダーを行き来する活動を経て、2015年3月に11thシングル『命は美しい』から選抜常連メンバーとなり、目立つ場への起用も段階的に増えていきました。前後してファッション誌『CUTiE』『Sweet』でのモデル活動や、『ANNA SUI 2015年秋冬モデル』のアジア圏ビジュアル起用など、1年余りをかけて世間へその名前を浸透させています。この成長期間の設け方は、歴代センターの中では西野七瀬さんを思い起こさせます。西野さんは5thシングル『君の名は希望』でキーになるメンバーとして見出されたのち、機が熟するのを待って1年後の8thシングル『気づいたら片想い』で初センターを経験しています。同様にここ1年余りは、次に中心を担ってもらう候補として齋藤飛鳥さんに期待をかけつつ、焦らずに機会を待っていたと考えられます」

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