>  >  > 山崎まさよし『Augusta Camp』レポート

新ツアー目前、樋口靖幸が読み解く山崎まさよしの「今」

山崎まさよし、ステージで芽生えた「新たな衝動」とは? 20年の集大成『YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp』から考察

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樋口靖幸
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 9月26日、横浜赤レンガパークの野外特設ステージにて『YAMAZAKI MASAYOSHI in Augusta Camp〜20th Anniversary〜』が開催された。『Augusta Camp』とは、山崎まさよしをはじめスキマスイッチや秦 基博らが所属する「オフィス オーガスタ」が毎年開催している音楽イベントで、所属アーティストが一堂に会しながら、それぞれのステージとは別にレアなセッションも披露するアットホームな催しである。今回は同日にデビュー20周年を迎えた山崎まさよしを祝う場として開催され、会場には1万5千人の観客が集まった。アーティスト同士の繋がりが家族的であると言われるオフィス オーガスタにおいて、山崎は後輩アーティストから慕われる「オーガスタの長男」的な存在でもある。彼はこの日、計7時間、3部構成によるステージのほぼすべてに出演し、20年というキャリアに節目を刻んだ。

 第1部はアコギ一本で舞台に現われた山崎がピアノの弾き語りも交えつつ、自身の曲をオーガスタのアーティストたちとセッションしていくブロックで、「妖精といた夏」「ア・リ・ガ・ト」「花火」「ツバメ」「セロリ」といった曲が次々と披露されていく。第1部のラストではオーガスタのアーティストによって結成されたバンドを従え「Let’s form a R&R band」を山崎が歌う。その表情は格別な笑顔に満ちていた。

 休憩を挟んだ後に始まった第2部は、山崎以外のアーティストたちの楽曲によるコラボがメインとなるブロックだ。まずは杏子がその主旨を観客に説明し、ステージに呼び込まれた山崎が向かったのはステージ後方のドラムセット。あらきゆうことのツインドラムでスティックを振りながら、長澤知之が杏子に書き下ろした「ねぇ、もっと」が披露される。さらに杏子の新曲「Flamingo Rose」をさかいゆうも参加してのセッション。こうやってオーガスタのアーティストたちがメドレー方式でステージに登場してくるスタイルは、近年のオーガスタキャンプでの定番となっている。

 さかいゆうはスティーヴィー・ワンダーの代表曲「Superstition」や自身の新曲「ジャスミン」を歌い、山崎を「ヤマちゃん」と呼ぶような間柄のCOIL岡本定義は、CHABOこと仲井戸麗市のブルージーなナンバーを2人で仲良くカバー。さらにゲストプレイヤーとして地元・徳島から駆けつけた山崎の旧友・西慎嗣と、あらきゆうこを迎えてCOILの曲で盛り上がる。

 元ちとせはデビュー前からカバーしていた山崎の曲「名前のない鳥」を歌い、長澤知之はビートルズのサイケナンバー「Lucy In The Sky With Diamonds」を、秦基博は極上のハーモニーによる「アイ」を、スキマスイッチはSTINGの「Englishman In New York」のカバーでそれぞれ山崎と共演した。山崎とのファーストコンタクトが山崎の自宅で、しかも彼はへべれけ状態だったことを打ち明けた浜端ヨウヘイは、自身の曲を山崎のアシストで嬉しそうに歌い上げ、竹原ピストルはノートに書きなぐってきたお祝いの言葉を読み上げた後に、山崎の「未完成」を自己流にアレンジして披露。先輩を慕う後輩の思いが溢れた第2部のラストとなった。

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 とっぷりと日が暮れた赤レンガパークのステージに、山崎、中村キタロー、そして江川ゲンタの3人が姿を見せ、いつものトリオ編成で「アドレナリン」が始まった。朗々とメロディを歌い上げる山崎の声に疲れはまったく見られない。その後も「ガムシャラ バタフライ」や「アレルギーの特効薬」「ド ミ ノ」といったアッパーな曲が並んだセットリストに挑む姿はどこかアスリートのように生き生きとしている。そう、そうなのだ。山崎は、オーガスタキャンプという長時間のステージに立ち続けながら、数々のセッションを繰り返していくうちに、まるで時間を遡るような若返りを見せていたのだ。

     
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