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太田省一『ジャニーズとテレビ史』第一回:「ミュージックステーション」

『Mステ』はなぜ生き残れたのか? 光GENJIやSMAPなどジャニーズ出演陣から読み解く

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太田省一
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(C)タナカケンイチ

 先週(2015年9月4日)放送のテレビ朝日『ミュージックステーション』(『Mステ』)で、こんな場面があった。

 55枚目となる最新シングルの一曲『Otherside』披露のため出演していたSMAPの各メンバーが視聴者からの質問に答えるコーナーでのこと。最後に順番が回ってきた中居正広への質問は、「音を外してしまうことが恥ずかしくて歌えません。どうしたら堂々と歌えるようになりますか?」というものだった。タモリが「残る1人はあの方ですよね」と意味深に話を振り、中居正広が「まあ、あの、プロのミュージシャンとして…」とわざとらしく表情を決めて語り始めたとたん、その言葉を遮るように絶妙のタイミングでCM入りの音楽が流れ、スタジオは爆笑に包まれた。言うまでもなく、歌番組では鉄板になっている中居正広の“音痴”ネタである。

 この場面に私は、『Mステ』とジャニーズの密接な関係、そして『Mステ』がこれまで長く続いてきた理由の一端を垣間見たような気がした。

 アイドルの歴史を振り返るとき、転換点としてしばしば語られるのが1990年前後の相次ぐ大型歌番組の終了である。1970年代から80年代にかけて、テレビとアイドルは蜜月関係にあった。その象徴が、当時各局にあった生放送の大型歌番組だった。

 『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)、『ザ・ベストテン』(TBS系)、『歌のトップテン』(日本テレビ系)などのそうした歌番組は、歌手にとって新曲プロモーションの最大の機会であり、1980年代にアイドルが全盛期を迎える大きな原動力になった。したがって、それらの番組がそろって1990年前後に終了してしまったことは、アイドルにとって自分たちの存続の基盤を揺るがす大事件であった。

 ところが1986年10月にスタートした『Mステ』だけは、そんな当時の歌番組のスタイルを踏襲しながら今も続き、来る10月には30年目を迎える長寿番組になった。実は私自身もこれまであまり気に留めてこなかったのだが、今述べた歌番組の歴史を踏まえれば、これは不思議なことだ。

 では『Mステ』はなぜ生き残れたのか? 

     
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