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初単独ライブ直前インタビュー

「ラップとポエトリーの融合の究極形ができた」自閉症とともに生きるハタチのラッパー、GOMESS登場

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岡島紳士
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 自閉症とともに生きるハタチのラッパー・GOMESS。NHKのゴールデン帯で特集番組が組まれるなど、ヒップホップシーンだけでなく、一般的にも多大な注目と期待を集めているアーティストだ。

 昨年7月にリリースされた1stアルバム「あい」に収録された、自閉症と宣告された日のことを歌った彼の代表曲「人間失格」には、こんな強烈なリリックが綴られている。「普通じゃねえって 並外れてる 人が呼んでる 障害者のクズです」「バカにしてる カモにしてる あいつはアタマがイカレテル」。

 そして先月18日には、この「人間失格」の続編的内容の曲「LIFE」が収められた、2ndアルバム「し」がリリースされた。今回はこの2ndアルバム「し」についてだけでなく、自閉症のこと、そして明日4月12日(日)に開催される初単独ライブについてまで、じっくり語って貰った。(岡島紳士)

ラップよりも先にDTM(作曲)を12歳の頃からやってたんです

--リアルサウンド初登場ということで、そもそもデビューのきっかけから聞かせて貰えますか?

GOMESS:2012年10月、高3の時にBSスカパーの番組「BAZOOKA!!!」の「高校生ラップ選手権」(全国の高校生ラッパーたちがラップバトルをする企画)で準優勝して。そこからいろんな人を伝って、今所属しているレーベル「LOW HIGH WHO?」のオーナー・Paranelさんに出会ったのがきっかけです。最初は「同じ静岡だから遊びましょう」ってだけで会ったんですけど、その時にLOW HIGH WHO?のパーカーを貰って。そのタイミングで「人間失格」のMVを撮ることになったんですよ。レーベルは全く関係なしに。それをYouTubeの自分のアカウントにアップしたら結構反響があって。そこから1ヶ月もしないうちに1stアルバムをLOW HIGH WHO?から出すことになりました。

GOMESS『人間失格』PV

--いつからラップを始めたんですか?

GOMESS:中2の10月27日が、初めてリリックを書いた日です。ラップ自体は11歳から聴いてたんですけど、急に自分でもやろうと思って。理由は、はっきりとは覚えてないんですけど、たぶんライムスターのライブDVDを観て感動したから。リリックは最初からパソコンで書いてました。小5から中3まで引きこもってて勉強してなかったから、漢字がちゃんと書けなかったので。でも、ラップより先にDTM(デスクトップミュージック)は12歳からやってて。ラップやるよりも、作曲の方が先なんですよね。

--トラックやラップはどこかに発表しなかった?

GOMESS:ネットにアップしてました。名前は今と違うんですけど、YouTubeとかニコ動とかMyspaceとかAudioleafとか。あと自作のホームページにも。1ヶ月に3アクセスくらいしかなかったけど。中学の校長先生とか見に来てくれてました。

--自閉症って分かったのはいつですか?

GOMESS:小4の冬ですね。地元の静岡の青葉通りでバザーをやってて、お母さんとお姉ちゃんがお店を出してて。家に1人でいるのが怖かったから、仕方なしについて行って。オレ、高校に入るまでに1人でトイレに行けなかったんですよ。ドアを開けて、確認できる場所に誰かいないと無理で。お風呂も17歳くらいまでお父さんと入ってました。寝るのも1人は無理で。で、バザーでヒマだったから、道に座って柱にもたれたんですよ。したら体に毛虫がついて、ビックリして。気づいたら車道にいて、身体が動かなくなってて。警察官とか救急車とか来て、病院に行ったら、自閉症という診断でした。知的障害はない、高機能自閉症です。

--ひきこもったのはいつから?

GOMESS:小5の夏なんで、10歳からですね。そこから高校に通い出すまで4、5年間、ひきこもってました。


1stでは日本語ラップ的なことより、内面を描こうとした

--去年の7月にリリースした1stアルバム「あい」には自分にとってはどんな作品でしたか?

GOMESS:初期衝動だけで、後先考えずに作った感じです。自分では恥ずかしくて聴けないんですよね。でもそのくらいがいいなって、あえてそう作ったんですけど。いわゆる音色的にはヒップホップではない。でも、結構マニアックなこともやってるんですよ。YOU THE ROCKやMUROのリリックをサンプリングしたり。実は10代が作ったにしてはマニアックなことをしてます。

--日本語ラップ的なことはどこまで意識してた?

GOMESS:すごい好きだし、その方向はいくらでもできるから、だからこそできるだけ内面を描こうとしました。オレ、家の中で聴く音楽が好きなんですよ。クラブやストリートでだけ聴けるものじゃなくて。でもオシャレじゃなくて、泥臭くもあってっていう。その微妙なラインで作ったつもりです。それを目指して14歳からやって来たから。

--レコーディングの方法が変わってて、即興のフリースタイルで何度もデモを録って、その中でいいものを採用するやり方なんですよね? 歌詞を書かないことが多いっていう。

GOMESS:アメリカとかならあるけど、日本人ラッパーではあまりいないみたいですね。ライブだと、目の前にお客さんがいるし、一回性のものだから、そこに嘘は混ぜられないですよね。レコーディングって何度でも直せちゃうから、緩いんですよ。だからレコーディングでもどこまでライブ感を出せるかが、今後の課題かなと思ってます。

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