B'zは常に現在進行形である デビュー35年、第一線を走り続けるための純粋な探究心
B'zがデビューから35年を超えた今、レジェンドという称号に甘んじることなく、多角かつ精力あふれるアウトプットを続けている事実は、改めて驚異的と言わざるを得ない。B'zとしての新曲、そして松本孝弘、稲葉浩志それぞれのソロでの活動と、直近だけに限っても次つ人トピックが投下されている。本稿では、現在進行形で行われている彼らの活動を整理しながら、なぜ彼らが第一線を走り続けられるのか、その勢いの本質を探ってみたい。
松本孝弘&稲葉浩志、ソロ活動の多彩さ
まず、音楽ファンの度肝を抜いたのが、松本孝弘とEXILEとのコラボレーションだ。EXILE TRIBEの魂とも言える「24karats」シリーズの最新作「24karats GOLD LEGACY feat. 松本孝弘」への参加は、単なる客演としての意味をも超えたものと言えるだろう。MVも公開されたばかりの本作は、力強いダンスビートと松本の鳴らす唯一無二のギターサウンドが融合し、タイトルの通り“黄金のレガシー”を次世代へと繋ぐような意志を感じさせる、重厚な仕上がりとなっている。「24karats」シリーズに今回松本が名を連ねたことは、彼が特定のジャンルに安住せず、常に新しい刺激を求めて身を投じ続けていることの証左でもあると思う。
また、2024年に20年ぶりの再始動を果たしたTMG(Tak Matsumoto Group)での活動も見逃せない。ジャック・ブレイズ(NIGHT RANGER)やエリック・マーティン(MR. BIG)といった海外のレジェンドたちとのアンサンブルは、松本のルーツであるハードロックへの深い愛情と、世界基準のギタープレイを改めて世に知らしめた。ソロ名義での作品制作も含め、彼の活動には「ギターという楽器で何ができるか」という純粋な探究心が常に通底しているように感じる。
一方で、稲葉のソロ活動も極めて密度が高い。ソロ楽曲のリリースや全国アリーナツアー『Koshi Inaba 〜enV〜』の開催発表は、彼個人の音楽的アイデンティティをより鮮明にした。稲葉のソロ活動の代名詞でもあるライブシリーズ『en』において、昨今はZepp公演からアリーナまで規模を問わず、ストイックなまでに自身の喉/声と向き合う姿が印象的だった。また、特に直近で注目を集めたのは、やはり『2026 ワールドベースボールクラシック』(『WBC』)における活躍だろう。同大会を独占配信したNetflixによる日本国内でのライブ配信時の大会応援ソングとなったのが、稲葉が歌う「タッチ」だった。加えて、ドキュメンタリー番組『戦いの向こう 侍たちの記録 2026 WORLD BASEBALL CLASSIC』(Netflix)のテーマソング「果てなき夜を」を書き下ろしたのだ。限界に挑むアスリートの姿と、稲葉が描く壮大なロックバラードの世界観が共鳴するこの曲は、多くの視聴者の心を震わせている。ボーカルの音圧、表現力ともに衰えを見せることなく、むしろ年齢を重ねたからこそ滲み出る色気や説得力が、楽曲に新たな命を吹き込んでいるとさえ思わされる。
B'zとしても最前線を走り続ける
このようにソロでの活動が目立つが、B'zとしての屋台骨も揺るぎない。アニメや映画での『名探偵コナン』シリーズ(日本テレビ系)との長年にわたるタッグは、もはやお馴染みの光景だが、最新の主題歌提供においてもそのクオリティは研ぎ澄まされていると思う。常にその時代のトレンドをスパイスとして取り入れながら、一聴してB'zだとわかるシグネチャーサウンドを『名探偵コナン』を通して提示し続け、タイアップ曲であっても決して守りに入ることはせず、常にライブでの爆発力を想定しているかのようなアレンジを施す。その一切の妥協のなさが、長きにわたる信頼関係を築いているのだ。
過去のヒット曲にすがるのではなく、常に新作で現在地を更新していく。松本は新たな音色とのコラボレーションを、稲葉は現代に生きる個人の内面を抉るような言葉と歌を。その姿勢は、二人の地に足のついたプロフェッショナルなあり方に基づいている。2026年、そしてさらに先へ。個を研ぎ澄ませ、再びB'zという母体へと還元される進化が楽しみだ。日本のロックシーンの最前線には、進化を止めない彼らの姿がある。


























