浜端ヨウヘイはオーガスタの系譜をどう継承する? 渾身のバラード『無責任』を多角的に分析

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 山崎まさよしやスキマスイッチ、秦 基博、さかいゆうなど、多くの優れたアーティストを輩出してきたオフィスオーガスタから、2014年11月にデビューした浜端ヨウヘイが、新シングル『無責任』を2月25日にリリースする。

 同作の表題曲は、これまでライブでも数多く披露され、CD化が熱望されていたバラード曲。浜端はギターを置いてピアノに向かいながら、美しくも切ないメロディを力強く歌い上げている。前作の『結-Yui-』よりもさらに声が前に出た作品といえるが、浜端のボーカリストとしての魅力について、海外のシンガーソングライターに詳しい音楽評論家の内本順一氏は、浜端の声質と歌い方を他アーティストに例えてこう語る。

「浜端さんの声質は、聴くだけでも優しい人というのが想像できます。人の痛みがわかる男なんだろうと感じましたね。歌い方に関しては、フェイクを入れることが少なく、温かい声で歌っていたかと思えば、カップリングの「Drivin' on the K」でブルースシンガーのように豪快に歌う。例えるなら、アメリカだとジョン・メイヤー、イギリスだとエド・シーランに近いといえるかもしれません。エド・シーランは普段繊細な声で歌うものの、ファレル・ウィリアムスと共演した際には開放感のある声を聞かせてくれましたし、ジョン・メイヤーに関しては、ブルースをルーツに持ちつつ、シンガーソングライターとして歌っているようなところも、浜端と共通しているといえるでしょう」

浜端ヨウヘイ / 無責任

 また、歌詞には彼の苦悩や性格が大きく表れていると続ける。

「『無責任』は、<「死にたい」って書いて 「生きたい」って読んだ>から始まる歌い出しや<泣きながら僕ら生まれてきた 笑うために生まれてきたんだよ>という歌詞から、浜端がこれまで生き辛さを感じて過ごした時期があることを感じさせます。30歳でデビューするまでの苦悩も書かれているのではないでしょうか。また、今作の収録曲は、共通して相手に語りかけるというよりも自分にも言い聞かせているという感じがします。その部分を感じるのは「タイトル未定」の<僕が歌う応援歌なんて ほんとは全部僕の歌さ>というフレーズ。自分を鼓舞するために応援歌を歌っているのだなと納得しました」

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