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姫乃たま「地下からのアイドル観察記」

アイドルから卒業する最高の方法とは? 地下アイドル・姫乃たまが考える

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地下アイドルでありながらライターとしても活躍する姫乃たま。

 初めて見るものはいつもテレビの中で、新しいことはすべてパソコンの中から知る。そんな受身世代の私に、RealSound編集部が突きつけてきたのは、テレビでもやってない、インターネットにも載っていない、誰も知らない、「アイドルから卒業する最高の方法」でした。

 私が最も知りたいことを尋ねてきた編集部に、恨みにも似た気持ちを覚えつつ、不老不死の方法を求めて人々に話を聞いて回る昔話の主人公のように、そこかしこで正解など存在しないであろう問いを投げ続けることになったのです。

 まず私が尋ねたのは、現場にも熱心に通うアイドルファンの男性でした。推しがどのような形で卒業するのが理想か尋ねると「スキャンダル発覚でクビ」という予想外の答えが返ってきました。理由は「自分にもプライベートで付き合える可能性があるかもしれないと思えるから」だそうで、私の答え探しははやくも迷宮入りしました。

 そういえば乃木坂46のメンバーと、出版関係の男性とのスキャンダルが発覚した時も、アイドル好きな周囲の編集者の目が爛々と輝いていたなあ。愛を売るアイドル稼業なので、たしかに自然な答えのひとつかもしれません。

 一方で、アイドル側が主張する最高の卒業は「もともと希望していたジャンルに転向して辞める」でした。これもまた、数多くいるアイドルの中の、ひとつの意見に過ぎませんが、アイドルになりたくてアイドルをやっている女の子というのは、世間の人が想像しているよりも、恐らくずっと少ないです。AKB48を卒業した後のメンバーを見てもわかるように、声優や女優へのステップとしてアイドルを経験している子は多く存在します。

 私が質問したアイドルさんからは、さらに「ユニットに所属してるのは、他のメンバーのファンから認知度を高めるためで、できるならソロで目立ちたい」という、とても正直な意見まで飛び出しました。その後「ぶっちゃけ今のユニットには愛着なくて」から始まる数々の不平不満には耳を閉ざしました。私は意外と、同業者にも夢をみていたいタイプなのです(普段、アイドルに残酷なインタビューをしているせいで)。

 さて、アイドルの中でもソロで活動している子はまた考えが違いました。彼女が懸念しているのは「私が卒業できても、ファンは卒業できない」ということです。「ユニットだったら自分が抜けたあとも、他のメンバーを応援できるけど、私は私がやめたらファンの行き先がなくなっちゃう」と言うのです。

 あくまで私の所感ですが、ユニットとソロのアイドルは性質が違うのと同じように、ユニットとソロのアイドルファンは違います。外部から見たら同じアイドルファンに見えても、そこには大きな隔たりがあるのです。そして、ここからはもっと個人的な感覚ですが、ソロアイドルのファンは、ユニットのファンに比べてファン同士のコミュニケーションが浅いように思います。これは、アイドル本人の性格にもよるのですが、あまりコミュニケーションの得意でないアイドルのファンは、不思議とファン同士も交流が苦手だったりするのです。私が質問したアイドルさんがまさにそうでしたが、そのぶんファンとアイドルが一対一になるような感覚になっていくので、なかなか卒業に踏み切れないようです。アイドルとファン、どちらも幸せな卒業とはなんなのでしょう。彼女もまた頭を抱えていました。

     
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