>  >  > ふぇのたす、ワンマンで見せたタフさ

「宗像明将の現場批評〜Particular Sight Seeing」第8回 ふぇのたす『2014ねん、ふゆ〜東京〜』

メジャーデビュー発表のふぇのたす、ワンマンで見せたハードでフィジカルな一面とは?

関連タグ
JPOP
ROCK
アイドル
ライブ
宗像明将
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
20141211-pheno1.jpg

 2014年12月11日に渋谷クラブクアトロで開催されたふぇのたすのワンマンライヴ『2014ねん、ふゆ〜東京〜』の会場に入ると、いきなり「祝ふえのたすメジャーデビュー」という紅白で飾られたボードが目に入ってきた。開演どころか、開場と同時にメジャーデビューを知らせてしまう、この容赦ないネタバレ感。こうしたもったいつけない、あっけらかんとした姿勢は、ストレートにポップであることを突き詰めてきたふぇのたすらしいメジャーデビュー発表だった。

 開演するとまず映像が流され、ここでメジャーデビューするのがユニバーサルミュージックジャパンのZEN MUSICからであること、3月にアルバム『PS2015』をリリースすることが明かされた。そしてヴォーカルのみこ、ギターのヤマモトショウ、ドラムの澤"sweets"ミキヒコが登場しての1曲目は、この日にふさわしく「おめでたす」。ステージ後方には前述のボードのほか、入学式のような紅白の幕もあり、さらにステージ前には金の招き猫、ダルマ、熊手などが並べられ、ステージ脇には花があるというおめでた尽くしの光景だった。

 万歳三唱を挟んでの2曲目「スピーカーボーイ」から、サポートメンバーとしてキーボードのrionosとベースの高木祥太が参加。今夜はベースとドラムによる生のリズムセクションがステージ上にあり、さらにrionosによるコーラスもあったのでハーモニーも追加されていた。これまでのふぇのたすで体験したことがないほど音が厚い。かわいいルックスと声質のみこが、研ぎ澄まされたキャッチーな楽曲群を歌う、というふぇのたすのスタイルは変わらない。ただ今夜の演奏は、ニューウェーヴやエレクトロポップと自らの音楽性を名乗ってきたふぇのたすのイメージを揺るがすほどにフィジカルだった。

 さらに「有名少女」を演奏する前にヤマモトショウは、「この曲をクアトロでやることに意味がある」という主旨の発言をした。そう、ふぇのたすの「有名少女」はナンバーガールの「透明少女」をオマージュしたギターのフレーズから始まる楽曲なのだ。ナンバーガールが渋谷クラブクアトロでライヴをしたのは1999年10月。当時のナンバーガールは、メジャー・デビュー・アルバム「SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」をリリースしたばかりの頃だ。その音源はライヴ盤「シブヤ ROCK TRANSFORMED状態」で聴くことができ、そこには「透明少女」が収録されている。そして、その15年後に同じステージでふぇのたすは「透明少女」へのオマージュである「有名少女」を演奏したのだ。メジャーデビューを発表した日に。

     
  • 1
  •  

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版